北陸新幹線敦賀延伸への期待<2024.3.8>

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最終更新日: 2024年3月8日

北陸新幹線・敦賀延伸開業

 いよいよ、3月16日に北陸新幹線が福井県の敦賀まで延伸開業します。2015年3月に金沢まで延伸して以来、9年ぶりの延伸開業となります。2月に開業日当日の切符が一斉発売された際には、敦賀発東京行「かがやき」の一番列車の指定席がわずか4分で売り切れるなど、開業への期待も高まっています。

長野から福井や関西へのアクセス向上

 今回の延伸で新たに開業する新幹線駅は、全部で6駅です。石川県の小松駅、加賀温泉駅と、福井県の芦原温泉駅、福井駅、越前たけふ駅、そして終点の敦賀駅です。小松市や福井市といった主要都市はもちろん、山代温泉や山中温泉などがある加賀温泉郷、福井の名湯・芦原温泉に新幹線でアクセスできるようになります。
 次に長野駅から敦賀駅までの所要時間の変化をみると、現在は長野駅から金沢駅まで最速の「かがやき」で1時間6分、そして金沢駅で特急に乗り換え、敦賀駅までさらに約1時間20分かかります。従って、長野・敦賀間は金沢での乗り換えの待ち時間も含めると3時間近くかかっていました。それが、延伸開業後は長野駅から敦賀駅まで「かがやき」で最短1時間48分となり、所要時間は大幅に短縮されることとなります。
 さらに、今回の延伸によって長野から関西へのアクセスも向上します。現在、長野から大阪に向かうとすると、大きく3つのルートが考えられます。1つ目は長野駅から特急しなのに乗り名古屋駅で東海道新幹線に乗り換える名古屋ルート、2つ目は北陸新幹線で東京駅に向かい東海道新幹線に乗り換える東京ルート、3つ目は北陸新幹線で金沢駅に向かい特急に乗り換える北陸ルートです。この3つのルートは料金には差があるものの、所要時間はどれも概ね4時間ほどと大きな差がありませんでした。しかし、今回の延伸開業後は、北陸新幹線で敦賀駅まで行き特急に乗り換えて大阪まで向かえば、乗り換えも含め最短3時間20分ほどになります。
 このように、福井県や関西とのアクセス向上により、長野県にとってもこれまで以上に観光やビジネス、さらにはさまざまな地域交流などの面でも効果を発揮することが期待されます。

被災地支援にも大きな役割

 一方で今回の延伸は、今年1月の能登半島地震で被災した北陸地域の復興にも大きな役割を果たすことが考えられます。例えば、観光面での国の復興支援策として、延伸開業と同じ3月16日から、石川・富山・福井・新潟への旅行を支援する「北陸応援割」が実施されます。期間は4月26日までとなりますが、大型連休明けには第2弾の実施も予定されています。
 この応援割では、北陸地域への旅行費用の50%が割引され、上限額は宿泊のみの場合1人1泊当たり2万円で、飛行機・電車・バスなどの交通と宿泊がセットになったツアー旅行の場合だと、1人当たりの上限額は1泊が2万円、2泊以上が3万円、2県以上の宿泊が3万5千円となっており、日数をかけて多くの場所を巡るのにも適しています。
 北陸新幹線を活用すれば、北陸地域へのアクセスはもちろん北陸地域内の移動も従来以上に効率的にできるようになり、応援割の効果をさらに高めることになると思います。

新たな信州ファン増加の契機にも

 長野県にとっては今回の延伸開業により福井県まで一本の路線でつながります。今後、沿線では新たな観光ルートの構築やビジネス活動の広がりなども予想され、信州と北陸や関西を往来する人がこれまで以上に増えることが期待されます。コロナ禍が明けて旅行需要なども回復する中、今回の延伸開業が北陸の被災地支援を促進すると共に、信州の魅力がより幅広く発信され、新たな信州ファンの増加につながる契機にもなって欲しいと願います。

 

2024年3月8日放送 SBCラジオ「Jのコラム」より

 

 

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