シニアの暮らしに関するアンケート調査結果より<2022.9.9>

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最終更新日: 2022年9月9日

人口減少下で注目されるシニアの存在

 国勢調査によると、長野県の総人口は2000年をピークに減少しています。今後、人口減少が一層進んで働き手が減る中、労働力あるいは消費の主体として注目されるのがシニアの存在です。
 そこで今回は、長野経済研究所が実施した、シニアの暮らしに関するアンケート調査の結果についてご紹介したいと思います。

シニアの働き方に対する意識

 この調査では、シニアの働き方や消費行動に対する意識を、今年7月に県内在住の1,000世帯にインターネットを通じてお聞きしました。なお、回答者の年齢層は20代から70代以上までと各世代の方々に回答をいただき、男女の比率は半々となっています。
 まず、現時点でどのような老後の暮らし方をイメージしているのか尋ねると、「老後の生活に不安があるため、働ける年齢までは働く」との回答が53.8%と最も多くなりました。次いで、「老後に不安はないが、働ける限り働き、趣味も充実させる」が22.9%となり、「働ける限り働く」との意向は合計で76.7%という結果になりました。一方、「早期にリタイヤし、自分の趣味などを充実させる」が15.8%となりました。
 この結果のうち、「老後に不安はないが、働ける限り働き、趣味も充実させる」と回答した方々が、お金の心配もなくアクティブに活動しお金を使っていく、いわゆる「アクティブシニア」の方や「アクティブシニアになっていくだろう人たち」と考えられます。そこで、このアクティブシニア層におよそ何歳くらいまで働きたいか聞くと、「70歳」が22.3%、「75歳」が13.1%、「80歳以上」が10.5%となり、65歳を超えて70歳以上まで働きたいとの意向が合わせて45.9%になりました。
 現在は60~65歳を定年としている企業が多いと思いますが、アンケートでは、アクティブシニア層を中心にそうした定年の年齢を超えても働きたいと考える割合が約半数いることが改めて示されました。

人口減少下で注目されるシニアの存在

 次に、アクティブシニアやアクティブシニアになっていくだろう人たちが、老後、特に充実させたいことや機会を増やしたいことについて尋ねると、「国内旅行」が62.0%と最も多くなりました。以下、「外食」(29.3%)、「家庭菜園・ガーデニング」(27.9%)、「家族(配偶者、子供、孫など)のための支出」(26.2%)と続きました。普段の生活の営みや家族と過ごす時間をより大切にしたい意向が強いようです。
 またその次には、「演劇・コンサート鑑賞」(23.1%)、「海外旅行」(21.4%)、「住宅のリフォーム、購入、建築」(21.0%)など、比較的、趣味の要素が強いものや、高額な費用を要することも上位に挙げられ、元気に動けるうちにある程度の費用を掛けながら老後を楽しみたいとの意向も伺える結果となりました。

今後、高齢化率は大きく上昇

 2020年の長野県における65歳以上の人口は65万5千人で、全体の32.0%を占めています。当研究所の予測では、2040年の65歳以上人口は68万7千人と現在より3万2千人も増え、さらに全体の人口が減少するため、65歳以上が占める割合は39.8%と大きく上昇する見込みです。
 こうした状況の中、健康で労働に意欲的なアクティブシニアの方々が十分に働ける環境を整えていくことが、県内の消費水準の維持・向上の観点からもますます重要なポイントになっていくと考えられます。
 なお、本アンケート調査の詳細は当研究所の機関誌・経済月報2022年9月号の「消費動向アンケート調査」に掲載しています。ぜひご覧ください。

2022年9月9日放送 SBCラジオ「Jのコラム」より

 

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