製造現場で活用が期待される協働ロボット<2021.10.12>

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最終更新日: 2021年10月12日

 安全柵が不要な協働ロボット

 「協働ロボット」とは、主に製造現場で使用される垂直多関節型や水平多関節(スカラ)型ロボットといった「産業用マニピュレーティングロボット(注)」のうち、安全柵を設置しなくても使用可能な、人と協調して働くことができる産業用ロボットを指します。
  従来、モーターの出力が80W以上のロボットを使用する際は、安全柵を設け、人と作業スペースを隔離する必要がありました。しかし、2013年、厚生労働省が規制を緩和し、80W以上のロボットであっても、ロボットメーカーやユーザーが国際標準化機構(ISO10218-1)で定める規格に準じた措置を講じることで、安全柵を設けず使用することが可能となりました。これにより、各メーカーにおける協働ロボットの開発や製造現場での導入が促進されました。

省人化、生産性向上、コスト軽減に効果

 協働ロボットのニーズは世界中で高まっており、25年には世界市場規模・世界出荷台数ともに19年比で2倍以上に拡大すると予測されています(図表)。導入が進む背景として、主に以下の3点が挙げられます。
 1つ目は人手不足に対応するための省人化・省力化です。特に製造業における単純作業や過酷な作業環境下で、ロボットへの置き換えが進んでいます。
 2つ目は生産性向上の取り組みです。中でも、一般的に大企業に比べて生産性が低いとされる中小企業が生産性向上を目的に導入する動きがみられます。協働ロボットは安全柵を要しないため比較的省スペースで設置ができ、規模の小さい製造現場でも導入が可能です。
 3つ目はコスト軽減です。従来の大型産業用ロボットと比べて小型で価格も安価な協働ロボットは、イニシャルコスト、ランニングコストとも軽減効果が期待できます。

自社の課題解決を目的に導入可能な工程から進めることがポイント

 製造現場での活用が期待される協働ロボットですが、当研究所のアンケート調査(2021年6月)によると、長野県内の製造業で協働ロボットを既に導入している割合は約1割にとどまっています。導入に向けた主な課題では、「導入・運用の費用」、「効果の判定が困難」、「製造工程の見直しが困難」といった意見が多く、本格的な普及にはまだ時間が掛かりそうです。
 ただ、導入済みの企業に協働ロボットの効果を尋ねると、8割以上が効果があったと回答しました。
 導入に向けては、現在の自社の製造現場における課題を明確にし、その解決を目的として導入可能な工程から進めていくことがポイントといえそうです。

 

※県内製造業における協働ロボットの動向は、経済月報2021年10月号掲載のトピックス「製造現場でみられ始めた協働ロボット導入の動き」で詳しくレポートしています。ぜひ、ご覧ください。

 

(注)産業用マニピュレーティングロボット:3つ以上の軸を持ち、自動制御によって動作し、再プログラム可能な機械。なお、店舗等で受付や案内作業などを行う「サービスロボット」は含まない。

(2021.10.12)

 

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