ウィズコロナを見据える長野県内企業の現状<2020.10.12>

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最終更新日: 2020年10月12日

 ウィズコロナの状況は今後少なくとも数年程度は続く

 新型コロナウイルスの感染防止の観点から、日常生活の中でソーシャルディスタンス(社会的距離)の確保や非対面でのやりとりが常態化しています。また、国のGoToキャンペーンなど観光や外出を促進する動きがある中で、新規感染者数が多い地域との往来は慎重に実施することが求められるなど、国内はさまざまな制限が付きながら経済活動を行う「ウィズコロナ」の段階にあります。
 現在、国内外で新型コロナの治療薬やワクチンの開発が進められていますが、これらが国内で承認され、社会に広く展開されるには年単位での期間が必要とされます。また、グローバル社会の進展で国内及び長野県の経済・企業はあらゆる分野で世界とつながっており、国内・県内の感染者数が抑えられても、世界の感染が収束しなければ県内産業はコロナ以前の状態には戻らないでしょう。
 現在の一般的な想定では、世界的な感染収束には3~5年を要するものとみられています。従って、ウィズコロナの状況は今後少なくとも数年程度は続くものと考えられます。こうした中、県内企業は経営全般や事業運営について、どのように対応しているのでしょうか。

事業の取り組み方を改める一方、新たなビジネスを模索する動きも

 当研究所が今年7月に県内企業659社を対象に行った「新型コロナウイルスの影響に関するアンケート調査」(回答374社・回答率56.8%)から、「経営全般の対応状況」についてみると、製造業は「生産・販売計画の見直し」が85.2%と最も高く、次いで「経営戦略(予定していた施策等)の見直し」が77.2%、「当面の資金確保」が73.1%、「BCP計画の策定」が71.6%と高くなりました(図表)。
 非製造業では、「経営戦略(予定していた施策等)の見直し」が71.8%と最も高くなり、次いで「生産・販売計画の見直し」が70.3%、「当面の資金確保」が60.5%となっています。
 いずれの業種も、経営戦略や生産・販売計画の見直しなど、これまでの事業の取り組み方を改めて、体制を整える動きが上位を占めました。一方、コロナ禍の経済状況や市場動向を注視し、「ビジネスチャンスの取り込み」を図る企業も製造業で49.3%、非製造業で39.6%となるなど、新たな市場を模索する動きもみられます。
 当面は需要の減少が続くと見込まれますが、企業には市場の変化を長期的な視野で捉え、落ち込み分を補いながら持続可能な経営にあたることが求められます。

※コロナ禍における県内企業の動向については、経済月報2020年10月号掲載の調査レポート「ウィズコロナを見据える県内企業の現状を探る」で、新たなビジネスに取り組み始めた県内企業の具体例を交えて詳しくレポートしています。ぜひ、ご覧ください。

(2020.10.12)

 

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