G20開催直前「長野県民のレジ袋削減に係る意向調査」<2019・06・14>
軽井沢町でG20環境大臣会合開催
6月15日、16日とG20の中での「持続可能な成長のためのエネルギー転換と地球環境に関する関係閣僚会合」が軽井沢町で開催される。G20では主に経済問題を中心に議論されるが、軽井沢町では廃プラスチックによる海洋汚染対策などが議論される予定だ。
現在、レジ袋やストロー等のプラスチックごみによる海洋汚染は深刻で、毎年800万トンものプラスチックごみが海洋に流出しているという。これが是正されないままいくと、2050年には海中でのプラスチックごみの量が魚の量を超えるとも予測されている。
レジ袋削減に係る意向調査を実施
長野県を舞台としたG20での議論に先立ち、長野経済研究所では長野県内の1,000世帯を対象に「レジ袋の利用状況や有料化に関する意向」について、ネット調査を実施した。
先ず、日常生活の中で過剰と思うプラスチック製品についてたずねた。回答は「使い捨てストロー」が5割と最も多く、次いで「レジ袋」が4割となっている。
これら無駄なレジ袋を無くすためには自らバックを持参することが薦められているが、持参の状況はどうか。
マイバックを買物の都度「ほとんど毎回持っていく」とする回答は6割、「時々持っていく」は3割と、マイバックは県民の買物に普及してきている。
使う理由は無料だから
一方、実際のレジ袋の利用状況はどうか。利用頻度の高いスーパーとコンビニエンスストア(以下、コンビニ)それぞれのシーンについて尋ねた。
コンビニでは「毎回もらっている」が5割、スーパーでは1割の回答割合だ。
何故レジ袋をもらうのか。
その理由については、「レジ袋が無料だから」がコンビニで4割、スーパーで3割となった。次いでコンビニでは「レジで品物を袋に入れて渡してくれるから」が3割、スーパーでは「レジ袋が欲しいから」が2割となっている。
このようにレジ袋をもらう理由として最も多いものは「レジ袋が無料だから」というものだが、有料化に対する意向はどうか。
また、金額が幾らなら利用を見合わせるのだろうか。。
有料でもやむを得ない
レジ袋の有料化に対する考えでは、「有料化に賛成」が2割、「有料化もやむを得ないと思う」が5割となり、7割がレジ袋の有料化に肯定的な見方を示している。
では、有料にした時、利用をやめる金額はいくらか。「1~3円」が4割と最も多く、次いで「4~5円」が2割、「6~10円」が2割となった。
足し上げてみれば、レジ袋が10円となれば全体の8割が利用を止めるということになる。
レジ袋の有料化には多くの県民が肯定的な見方をしている。そして、有料化によりレジ袋を使わなくなることも期待できそうだ。多分この結果は長野県民だからといった限定してものではなく、日本国民全体に言えることだろう。
タダより高いものはない
レジ袋は無料配布されてきた結果、必要以外の場面でも多く配られ環境破壊に繋がってしまった。このように社会に望ましくない影響を及ぼす行為に対しては、有料化は有効な解決方法だ。
今日の環境問題の多くは、このような「無料」の上に発生してきた。二酸化炭素にしても出した量に応じて費用負担がなされてきたなら、地球温暖化問題もこれほど深刻にはなっていなかった筈だ。まさに、タダより高いものはない。
環境問題への対応が急がれる中、タダ同然の経済行為には要注意かもしれない。
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