連携による小水力発電事業への取り組み

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最終更新日: 2018年10月11日

 長野県内で増え始めた小水力発電

 全国的に太陽光を中心に再生可能エネルギーを活用した発電事業が普及している状況下ですが、長野県内では、ここにきて小水力発電所の稼働や、導入に向けた動きが増え始めています(図表1)。また、長野県は急峻な河川や農業用水路が多く、以前から小水力発電の適地としてポテンシャルの高さが認められてきました。現在、小水力発電の導入件数・容量は全国トップとなっています(図表2)。


 しかし、小水力発電の一層の普及拡大には、水利権等さまざまな許認可の取得や、河川利用者や地域住民など幅広い関係者の同意取得といった多くの課題があります。さらに、多くの費用と時間を費やす事前調査や土木工事、発電効率に影響するごみの除去、設備のメンテナンスなども欠かせません。
 こうした中、県内では、事業者同士及び自治体と事業者の連携によって課題に対処しながら、新たに発電事業に取り組む動きがみられます。

須坂市・小布施町における連携による小水力発電事業

 須坂市では、市内の米子川での小水力発電を推進するため、協栄電気興業(株)・鈴与マタイ(株)・(株)北條組・ミツワヤンマー(株)・(株)須坂小水力発電の県内5社の出資により、「(株)長野エネルギー開発」が設立されました。地元企業の参加によって、小水力発電所の建設工事や運営に掛かる業務を各社が受注し、知見や技術力の向上につながりました。また、水利権の取得や関係者への同意取得では県や自治体と連携したほか、各社の技術を結集して開発した、水車・発電機・制御盤といった設備一式は新会社からユニット製品として発売を見込むなど、各種連携の効果が発揮されています。
 上高井郡小布施町は、長野自然電力合同会社と連携し、町の「自然エネルギー推進計画」の下で小水力発電事業に取り組んでいます。同事業に当たり、新たに地中に埋設する導水路や発電所の敷地等に地元の共有地組合や企業の所有地が含まれていたため、町を交えて入念な説明会等を実施したところ円滑に同意が得られました。また、発電施設の設置では、町独自の景観条例への適合も必要となるため、協議を重ね、規模、形状、色彩等にも配慮をしました。この他、町と企業が一体となり、都市計画法や道路占有許可等さまざまな許認可の取得に向けて協力体制が構築されました。

いまだ高い参入障壁

 今後、県内の小水力発電の普及を進めていくためには、許認可取得の負担を軽減する規制緩和や特区の活用による柔軟な制度運営等に加え、自治体の施策による推進や産官学の連携事例の発信強化などで、小水力発電の事業の参入障壁を低くすることが必要ではないでしょうか。

 

※小水力発電事業については、経済月報2018年10月号のトピックス「小水力発電事業への新たな参入の動き」で県内の事例を詳しくレポートしています。ぜひ、ご覧ください。

(2018.10.11)

 

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