長野県内ICT企業の現状と課題<2018.5.9>

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最終更新日: 2018年5月9日

 成長産業として注目されるICT業界

 ICT(Information and Communication Technology)業界は、コンピュータ機器の処理能力向上やネットワークの高速化など情報通信技術の進展により、クラウドコンピューティング等を始めとしてビジネス領域が拡大し、注目の成長産業となっています。こうした技術革新に伴う事業環境の変化に対し、県内ICT企業の現状や課題等を探るべく、アンケート調査を実施しました。
※アンケート概要(調査方法:郵送方式、対象先:長野県内のICT関連事業者225社、有効回答数:51社(回答率22.7%)、調査実施期間:2018年1月中旬~2月初旬)

県内ICT企業の事業内容と今後の課題

 現在の主な事業内容について尋ねると、情報サービス業に属する事業では「受託開発ソフトウェア業」が78.0%と最も高い割合となりました(図表1)。次いで、「情報処理サービス業」が38.0%、「パッケージソフトウェア業」が34.0%となっています。一方、インターネット附随サービス業に属する事業に携わる企業数はまだそれほど多くない状況ですが、その中では「サーバ管理受託業」、「情報ネットワーク・セキュリティ・サービス業」、「クラウドコンピューティングサービス業」に取り組む企業が比較的多くなっています。

 今後の事業展開における主な課題を尋ねると、「技術力の向上」と「従業員の不足・確保」が55.1%と最も高く、次いで「ニーズ変化への対応」が46.9%となっています(図表2)。このほか、従業員の過不足状況を尋ねたところ、「不足」が53.0%と半数以上を占め、人材不足問題の深刻さがうかがえました。

技術力や人材の不足を連携で補い、受注の可能性を広げる

 今後、クラウドサービスなどICT業界におけるビジネス領域の拡大が予想される中で、ニーズの変化を俊敏に捉え対応できる技術力を備えた人材の確保・育成が喫緊の課題といえます。
 こうした中、技術力や人材など自社に足りない要素は、外部との連携で補う取り組みが求められます。同業他社や地域との連携を広げることで、各社の強みが磨かれ、ICT業界全体の競争力が高まり、より幅広い業務を受注する可能性が広がるのではないでしょうか。

 

※本アンケート調査については、弊所機関紙「経済月報2018年5月号」掲載の『事業環境の変化へ対応を進める県内ICT産業』で詳しくレポートしています。ぜひ、ご覧ください。

(2018.5.9)

 

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