老朽化が進む国内生産設備<2013.11.7>

生産設備に関する調査-19年ぶりに実施

 工作機械等の機種別保有期間などを調査する「生産設備保有期間等に関するアンケート調査」が、今年2月から3月にかけて19年ぶりに実施され、結果が経済産業省から公表されました。
 この調査は、1952年から数年間隔で「特定機械設備統計調査」として実施されていましたが、1994年の第8回以降は未実施となっていました。その後、企業の海外投資が進んだことなどにより、国内設備の老朽化を指摘する声が多くなる中、現状の設備保有実態を把握し、設備投資促進政策に反映させる目的で実施されました。

15年以上経過した設備が4割超

 調査結果によると、国内生産設備の保有期間が15年以上経過した設備が全体の4割超となり、老朽化した設備が数多く存在していることを示しています。
 これを前回の1994年調査と比較してみると、15年以上経過した設備は前回の33.1%から今回は44.9%へ増加しました。一方、5年未満の設備は前回の27.8%から今回は17.4%へ減少しており、リーマン・ショックなどによる投資控えから近年の設備投資が低調な状況にあることがうかがえます。当研究所の「設備投資動向調査」でも、長野県内製造業の2013年度設備投資当初計画額は、前年度実績に対して▲14.6%と減額計画になっています。

設備投資促進に向けた政策を展開

 政府は、国内企業の設備投資額を2012年度の約63兆円から、今後3年間で10%増加させ、リーマン・ショック前の水準である70兆円に回復させることを目指しています。
 その具体策として、今年2月に成立した補正予算の「ものづくり補助金」で中小企業の投資支援を開始し、9月の最終採択までに全国で10,516社(うち長野県内企業は360社)への支給が決まりました。さらに今後も、関連事業費の予算計上や優遇税制、補助金の設定など、設備投資を促進する政策の展開が予想されています。
 本格的な景気回復のためには、設備投資の増加が不可欠です。促進政策の実施が後押しとなり、長野県内企業でも設備投資の増加に向けて動き出すことに期待したいと思います。(2013.11.7)

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