金融市場:12月短観から今後の金融政策を見通すポイントを考える

印刷

最終更新日: 2025年12月19日

0.75%への利上げで第2フェーズ突入

 日本銀行は12月会合で政策金利を0.75%へ引き上げる見通し(2025年12月19日9:00時点)。背景には、12月短観で示された企業センチメントの改善や、春闘の賃上げモメンタムの継続がある。焦点は「どこまで金利を上げるか」に移り、中立金利の推計値(1.0~2.5%)が議論の中心となっている。もっとも、利上げ打ち止め感による円安再加速の懸念も残る。

粘着インフレと倒産増加という政治的ハードル

 食料品製造業を中心に価格転嫁意欲は根強く、インフレの粘着性が利上げ継続を後押しする。一方、長期固定貸出の影響で資金繰り指標は「見かけ上の緩和」を示すが、利上げ効果はタイムラグを伴い、企業倒産の増加が政治的リスクとなる可能性がある。金融正常化の行方は、物価動向だけでなく、倒産増加という“政治の壁”を乗り越えられるかにかかっている(詳細はレポートをご覧ください)。

 

 (図表)倒産件数と借入金利子率(全規模・全産業<除く金融保険業>)の推移

 

 

 

金融市場:12月短観から今後の金融政策を見通すポイントを考える(552KB)(PDF文書)

このページに関するお問い合わせ

産業調査

電話番号:026-224-0501

FAX番号:026-224-6233