日本経済:経済財政白書の示唆~長野県上場製造企業のキャッシュフローとの比較~

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最終更新日: 2025年8月18日

グローバル経済の変化と国内企業の課題

 内閣府が公表した令和7年度経済財政白書では、グローバル経済の構造変化と日本企業の対応を多角的に分析し、特に第3章では、国際収支構造の変化、輸出競争力の低下、海外直接投資の拡大と国内還流の乏しさなど、企業行動が国内経済に与える影響を明らかにしている。
 企業の利益増加が国内投資や賃金上昇に十分に結びついていない現状を踏まえ、事業環境の改善を通じた国内投資の促進が重要であると指摘されている。特に、輸出開始は生産性・賃金向上に寄与する一方、海外投融資の効果は限定的であり、政策的支援の必要性が示唆されている。

県内製造業の動向と地域経済への示唆

 本稿では、こうした白書の分析を踏まえ、長野県内製造業のキャッシュフロー動向を検証した。県内企業も全国同様、営業キャッシュフローの増加に対して設備投資が抑制的であり、現金同等物の蓄積が進む一方、投資スタンスについては前掲化の動きは然程広がっていないことが確認された。
 この間、中小企業においては、設備投資促進には税制優遇措置の活用が有効であり、地域経済では行政・金融機関・支援機関の連携による環境整備が求められる。人口減少下の地域経済においては、供給制約への対応として、サプライサイド強化策が今後の成長戦略の鍵となるだろう(詳細はレポートをご覧ください)

日本経済:経済財政白書の示唆~長野県上場製造企業のキャッシュフローとの比較~(834KB)(PDF文書)

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