2070年の日本の総人口は8,700万人に<2023.7.10>
外国人の割合は1割に上昇
2023年4月26日、国立社会保障・人口問題研究所(社人研)が公表した2070年までの日本の新たな将来人口推計によると、70年の総人口 (出生中位・死亡中位仮定 )は8,700万人となり、20年の1億2,615万人から約31%減少します。
この総人口の推移を年齢3区分ごとにみると(図表1)、70年には0~14歳人口が797万人(20年比△47.0%)、15~64歳人口が4,535万人(同△39.6%)、65歳以上人口が 3,367万人(同△6.6%)となります。また、70年の高齢化率は38.7%と20年の28.6%から約10ポイント上昇します。
次に、総人口の推移を日本人と外国人に分けてみると、図表2のとおり70年の日本人は7,761万人と、20年比37.1%減少するものの、外国人は939万人と同3.4倍に増加します。このため、総人口に占める外国人の割合は、20年の2.2%から70年には10.8%まで大きく上昇します。
図表1 年齢別将来人口の推移
図表2 業況と賃上げ内容
人口減に関するリスクシナリオの作成が必要
外国人の割合が1割を超える背景には、年間の外国人流入数が大幅に増加するという仮定があります。しかし、今後も外国人の大幅な流入超が続くかは不透明であり、総人口は下振れする可能性が高いとみられます。
そこで、今回推計の仮定から「外国人流入超数」と「合計特殊出生率」を組み合わせて、図表3のとおり(1)~(5)までの5つのリスクシナリオを作成すると、総人口の減少幅が最も大きくなるのは(5)で、総人口は7,147万人と、標準シナリオからさらに1,553万人減少します。
企業の経営計画や自治体の税収見積もり等を策定するに当たっては、人口減少を前提とした上で、標準シナリオのみならず、より減少幅が大きいリスクシナリオを合わせて考える必要があります。
日本の総人口が、明日、何千万人も減少するわけではありません。時間の経過とともに徐々に減少していく需要に対して、企業や自治体はどのような供給体制を構築すべきかを、長期的な視点で考え、対応していくことは可能でしょう
図表3
*詳細は、経済月報7月号トピックス「2070年の日本の総人口は8,700万人に~社人研の新たな人口推計~」に掲載しておりますので、ぜひご覧ください
(2023.7.10)