キャッシュレス・ポイント還元事業の県内事業者の登録状況

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最終更新日: 2020年1月29日

 

増える登録加盟店数

 2019年10月1日より始まった、政府の「キャッシュレス・ポイント還元事業」ですが、19年10月1日~12月9日までの対象決済金額は約2.6兆円、消費者への還元額は約1,050億円となっています。
 経済産業省によると、同事業における登録加盟店数(以下、加盟店数という)は、2020年1月21日時点で約98万店です。このうち長野県の加盟店数は、全国で13番目に多い18,584店となっています。
 人口1,000人あたりの加盟店数を図表1にみると9.0店と、全国平均7.7店を上回り全国8位の水準です。このように、県内事業者は同事業への登録を積極的に進めています。

図表1 都道府県別登録加盟店数と人口1,000人あたりの加盟店数

 

県内は観光地の加盟店数が多い

 県内の市町村別の加盟店数をみると、長野市、松本市、上田市といった都市部に多くなっています(図表2)。
 これを県内の市町村別の人口1,000人あたりの加盟店数でみると、図表3のとおり、最も多いのが白馬村(57.4店)、次いで、軽井沢町(50.0店)、野沢温泉村(43.1店)と、インバウンドの多い県内観光地が上位となっています。
 これらの地域の事業者は、インバウンドを含めた観光客の利便性向上のために、同事業の開始前からキャッシュレス決済手段を取り入れるなど、キャッシュレス決済への関心が高かったこともあり、同事業にスムーズに登録が進んだものと考えられます。

図表2 市町村別登録加盟店数と県内構成比

図表3 市町村別登録加盟店数と人口1,000人あたりの加盟店数

 

多様化する決済ニーズへの対応を

 一般社団法人キャッシュレス推進協議会が行ったアンケート調査によると、同事業へ参加した店舗の39%が「売上に効果があった」、37%が「顧客獲得に効果があった」と回答しています。また、同事業をきっかけにキャッシュレスを導入または追加した店舗の39%が「業務効率化に効果があった」と回答するなど、メリットも多くみられます。
 一方、22%の店舗が「キャッシュレス導入に伴う入金サイクルの変化に起因して資金繰りに困ることがある」と、従来から指摘されていたデメリットが引き続き課題となっています。QRコード決済サービスの中には、最短で即時から翌日および翌営業日に入金が可能なものもあり、こうしたデメリットの解消につながるものと思われます*。
 同事業への参加やキャッシュレス決済への対応は、事業者にとってメリット・デメリットがそれぞれあります。事業者は、これらを勘案しながら、インバウンドを含めた消費者の多様化する決済ニーズに対応していくことが求められます。
 

 *詳細は決済事業者各社HPにてご確認ください。

(2020.1.29)

 

 

 

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