長野県の鉱工業指数の基準改定

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最終更新日: 2019年4月5日

 

鉱工業指数の基準改定とそれが行われる背景

 鉱工業指数は、鉱工業の生産、出荷及び在庫数量などを指数化することにより、その動向を総合的かつ迅速に把握することを目的として、毎月作成し公表されています。
 鉱工業指数については、「指数の基準時に関する統計基準」(2010年3月統計基準設定)において「指数の基準時は、5年毎に更新することとし、西暦年数の末尾が0または5年である年とする」とされていることから、現行の基準時である10年から5年後の15年を新たな基準時とし、ウェイトや採用品目等の見直しがされました。なお、ウェイトは基準時における採用品目の単位当たりの価格や付加価値額によって全体が10,000.0となるように算定されています。
 これにより、長野県の15年基準指数(15年=100)は、19年1月分から公表され、過去系列は13年1月分まで遡って再計算されました(図表1)。それ以前の指数については、13年1月時点で旧指数との接続を行い、長期時系列で整備されています。
基準時を変更する理由は、採用品目やウェイトの見直しを行う必要があるためです。これらは、基準時に固定されるため、時間の経過とともに採用品目の質や性能、価格が変化し現実の量的変動と乖離しまう恐れが生じます。そこで5年に一度基準改定を行い実態との乖離を修正しています。
 全国の鉱工業生産指数の基準改定で見直された採用品目の例として、新規では「大人用紙おむつ」、廃止では「ビデオカメラ」があります。このように採用品目の変遷をみることによって新製品の登場や製品の衰退など、時代の流れを読み取ることができます。
 

図表1 鉱工業生産指数の推移の新旧比較表

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改定により設備投資の影響が大きくなる

 長野県の鉱工業生産指数の15年基準では、「電子部品・デバイス工業」、「食料品工業」、「生産用機械工業」がウェイトの大きい上位3業種で、ウェイトは4,095.7と全体の約4割を占めます。10年基準の上位3業種との比較では、1位の「電子部品・デバイス工業」は同じものの、他は入れ替わっています(図表2)。
 ウェイトの変化をみると、10年基準から15年基準にかけてウェイトが上昇した業種は、「生産用機械工業」(+531.6)、「汎用機械工業」(+194.3)等です。一方で、低下した業種は、「情報通信機械工業」(△369.2)、「輸送機械工業」(△210.5)等があります。
 今回の改定により、「生産用機械工業」のウェイトが最も大きく上昇し、「汎用機械工業」と合わせると1,958.3と2割近くを占めます。これらの採用品目は、企業の設備投資に用いられる品目が多いため、これまで以上に長野県内の鉱工業生産指数は企業の設備投資動向に左右されることが予想されます。

図表2 ウェイトの新旧比較表

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(2019.4.5) 

 

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