活用が進む「プロフェッショナル人材事業」
~企業の「稼ぐ力」の向上を通じて地域経済の活性化へ~

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最終更新日: 2017年11月20日

中心的役割を果たすプロフェッショナル人材戦略拠点

 2015 年10 月から内閣府の地方創生事業の一環として「プロフェッショナル人材事業」が始まりました。この事業の目的は、地域を支える「ヒト」と「しごと」を結びつけ、企業の「稼ぐ力」の向上を通じて地域経済の活性化につなげることです。この事業の中心的役割を果たすのが「プロフェッショナル人材戦略拠点」で、東京都を除く各道府県に整備され、長野県は(一社)長野県経営者協会内に設置されています。
 事業開始から1年以上が経過した17 年8月末段階で、地域企業とプロフェッショナル人材のマッチングが全国で1,781件成約しています。県内では17年10月末段階で74件成約しており、全国でも高い実績となっています 

プロフェッショナル人材事業の概要

 プロフェッショナル人材とは、専門的な技術や知識等を保有し経営に影響力を発揮することができる人材です(図表1)。その分野は企業の経営全般のサポートのほか、新規事業開拓、販路開拓、事業再生、生産性向上など多岐にわたります。

図表1 プロフェッショナル人材具体例

 プロ人材戦略拠点は(1)地域の金融機関や経済団体と連携し、潜在的な成長可能性を持つ企業を発掘し、「攻めの経営」に向けた転換を促します。次に、(2)「攻めの経営」に必要なプロ人材のニーズを明確にし、その活用を促します。その後、(3)民間の人材ビジネス事業者や都市部の大企業等に取り繋ぎプロ人材のマッチングを支援します(図表2)。 
 

図表2 プロフェッショナル人材事業概念図
 

 プロ人材登用による効果

 企業が、新しいチャレンジや課題解決に取り組む際に、必要となる人材を確保する一つの方策としてプロ人材事業を活用する企業は増えており、成果もみえ始めています。経験豊かなプロ人材を外部から登用することで、目的としているミッションの達成はもちろんのこと、新しい発想や視点、やり方を企業にもたらしてくれるという効果もみられています。
 
自社あるいはグループが「攻めの経営」に舵を切り、そこに不足する人的資源を確保する手段として、プロ人材事業を活用することは有用です。ヒト、モノ、カネ、といった経営資源の多くが不足する中小企業にとって、新たなヒトの獲得は経営革新をもたらし、ひいては地域経済の活性化にもつながるでしょう。

(2017.11.20)

 

 

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