長野県経済・産業

最近の物価動向と家計への影響<2026年9月28日>

家計や企業活動に影響を与える物価高

 食品や日用品、外食、サービスなど、さまざまな分野で価格の引き上げが続いています。そして、この秋も多くの品目で値上げが実施されています。そこで今回は、足下の物価動向や、これまでの値上げに伴う家計への影響などについて紹介します。

物価の動向やその背景~3年ぶりの値上げラッシュ~

 帝国データバンク(「食品主要195社」価格改定動向調査 ― 2026年9月)によると、2026年9月の飲食料品の値上げは約4,900品目に及び、単月では今年最多の値上げ数となっています。さらに10月も3千品目を超える見通しで、2カ月連続でこれだけ多くの品目が値上げされるのはおよそ3年ぶりと、まさしく値上げラッシュと言えます。
 現在の値上げの背景としてまず挙げられるのは、中東情勢悪化の影響です。原油供給が混乱し、インクや包装資材など石油由来製品の値上げは以前から始まっていましたが、こうした中東情勢の影響に伴う食料品などの値上げのピークを今まさに迎えている状況です。加えて、為替相場も重要な要因です。ご存じの通り日本は食料やエネルギー、原材料の多くを海外から輸入しているため、最近の円安によって輸入コストが高まり、それが物価上昇につながっています。
 他にも、近年の深刻な人手不足に伴う人件費や、輸送コストなどの物流費、電気・燃料などエネルギー費用の増加なども値上げを加速させる要因となっています。

物価上昇を感じる項目は食品関連が上位

 近年、こうした値上げ傾向が続いていますが、家計にはどのような影響があり、どう対応しているのでしょうか。長野経済研究所が26年7月に県内の千世帯を対象に実施した、最新の「消費動向調査」の結果からご紹介します。
 まず、物価上昇を感じている割合は82.6%に達し、3カ月前の調査からは0.1ポイント上昇、また1年前との比較では2.9ポイントの上昇となりました。物価上昇を感じる項目では、「食料品代」が最も多く、次いで「飲料品代」、「外食費」と、いずれも食品関連が上位を占めました。一方、「ガソリン代」や「水道光熱費」は、3カ月前と比べると値上がりを感じている割合が大きく低下しており、政府による負担軽減措置の効果が作用しているとみられます。
 では、物価上昇を受けて世帯ではどのような対応を行っているのでしょうか。最も多いのは「安価な商品・代替品に切り替えている」で52%の世帯が回答しました。次いで「クーポン・ポイント・比較サイトを活用している」が49%となり、約半数が回答しました。実際、我が家でもクーポンが掲載されているチラシを保管して活用したり、スマホサイトでポイントゲットの情報があれば家族で共有したりと、少しでもお得に買い物ができるようにと心掛けています。
 なお、支出を抑制している項目を尋ねると、こちらも「食料品代」「外食費」「飲料品代」と物価上昇を強く感じる食品関連が上位を占めました。これに対し、食料品価格上昇への具体的な対応については、「割引品・見切り品の活用」、「安価な食材への切り替え」、「まとめ買い・計画的購入」などが上位に挙げられました。共感される皆さんも多いと思いますが、物価上昇下でこうした少しの工夫が重要なのだと改めて感じる結果になりました。

今後の物価動向の注目点

 今後の物価を左右するポイントの1つ目は原油価格の動向です。中東情勢がなかなか終息に至らず、今後、状況のさらなる緊迫化やそれに伴う原油供給の悪化で原油相場が大きく変動すれば、ガソリンや電気のみならず、プラスチック製品や石油関連製品などさまざまな物の価格への影響が考えられます。2つ目は為替相場です。少し前の1ドル=160円を超えていた円安局面から、足下では150円台と円高方向へ修正されていますが、もし再び円安方向に進行すればさらなる物価上昇を招きます。
 一方、物価高への対応と併せ、県内消費の回復には収入の増加が欠かせません。今後、冬のボーナスや来春に向けた賃上げなど、企業の所得環境改善の継続的な動きにも注目です。

  • 2026年9月28日放送 SBCラジオ「あさまるコラム」より

    関連リンク

    このページに関する問い合わせ先

    産業調査

    • 電話番号:026-224-0501
    • FAX番号:026-224-6233

    お問い合わせ・ご相談

    TEL. 026-224-0501

    TEL. 026-224-6233

    受付時間 平日 9:00~17:00

    サイト内検索

    ページ
    先頭へ