
平素は、長野経済研究所の活動に格別のご理解とご支援を賜り、誠にありがとうございます。
「イノベーション(社会に新たな価値をもたらす革新)」が企業経営の重要課題として語られて久しく、今やその言葉を耳にしない日はありません。とりわけ、日本経済がいわゆる「失われた30年」の停滞を乗り越え、再び力強い歩みを取り戻そうとする現在、このテーマはもはや一部の先進企業や技術分野に限られるものではなく、あらゆる組織にとっての成長戦略であり、生存戦略として、その重みを増しているように感じます。
人口減少は需給の両面に影響を及ぼし、コロナ禍を経て深刻な労働力不足として顕在化しました。加えて、AIをはじめとするデジタル技術は加速度的に進展し、既存のビジネスの前提を揺さぶっています。さらに、地政学リスクの高まりは、販売・調達のあり方そのものに不確実性をもたらしています。こうした環境の変化は、もはや従来の「効率化」や「改善」の延長線上では乗り越えることが難しくなっているのではないでしょうか。
今、求められているのは、過去の成功体験に安住することなく、自らの存在意義を問い直したうえでの新たな戦略の構築と、非連続な変化を自ら生み出す組織への転換です。そして、「イノベーションは群生する」と言われるように、一企業の挑戦はやがて組織の枠を越え、地域全体の価値創造へとつながっていく可能性を秘めています。産業、組織、立場の違いを越え、地域でこの課題に向き合っていくことが、今あらためて求められているように思います。
長野経済研究所は、既定路線にとらわれず、変わろうとする組織や人を応援してまいります。産業・経済に関するクリティカルなレポートを発信して皆様の変革行動にお役立て頂くとともに、公共・民間を問わず様々なセクターの戦略構築をお手伝いし、組織変革やこれに繋がる人材育成をご支援してまいります。
同時に、私たち自身もまた、単に地域の現在を分析する“Think tank”にとどまるのではなく、未来を創る皆様とともに行動する“Think & Do tank”でありたい。変化を恐れず、地域の皆様と歩みをともにしながら、新たな価値の創出に取り組んでまいります。
今後とも、変わらぬご支援、ご鞭撻を賜りますよう、心よりお願い申し上げます。
理事長 浅井 隆彦