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「この仕事向いてないんじゃ?!」新人の皆さん辞めるその前に<2024・04・17>

新社会人となって半月、辞めたい気持ちも忍び寄る

新社会人の皆さんも会社に入って間もなく1か月、なんとなく会社の雰囲気も仕事も分かってきた時期ではないだろうか。

楽しいと思う人がいる一方で、もう辞めたいという思いに駆られている人もいるかもしれない。

厚生労働省が公表した2020年3月に卒業した新規学卒就職者の離職状況によると、就職後3年以内の離職率は、新規高卒者で37.0%(1年目15.1%、2年目11.7%、3年目10.2%)、新規大卒者で32.3%(1年目10.6%、2年目11.3%、3年目10.4%)となった。

1年目の離職もなんと新規高卒者では15.1%、新規大卒者では10.6%もいるようだ。

離職の最大原因は「ミスマッチ」

何故やめてしまうのだろう。

長野経済研究所が県内企業を対象に行った「人手不足の状況等に関するアンケート調査」によると、社員の離職の要因は「仕事内容と社員のスキルのミスマッチ」が最も多く、次いで「社内の人間関係への不満」、「賃金が安い」となった。

離職の最大の理由は、ミスマッチのようだ。

人手を確保したいばかりに企業側としてとにかく来てくれればと、学生のニーズやスキルをしっかり把握しないまま採用してしまえばこのような事は起こりやすい。

しかし、実際はそのような荒っぽい採用をする企業は稀として、面接ではしっかりと学生の希望やスキルを聞き取り、学生も思いを会社に伝えて採用というのが一般的だろう。それにも関わらず働き出してみると、実際の現場は思ったように行かないことはままある。

それが証拠に先述の厚生労働省の調査によれば、公表されている最も古い年である37年前の1987年においても就職後3年以内の離職率は新規高卒者で46.2%、新規大卒者で38.4%となっており、むしろ現在よりも多くが早期に離職していた。

新人の離職は古くて新しい問題のようだ。

企業が成すべきこと「情報提供」「放っておかない」

入社してからの仕事の実情は、事前に把握した内容と異なる可能性はあるものの、学生には出来るだけ会社について良い点も悪い点も全て情報提供をすることが肝要だ。

そのためには、インターンシップを積極的に行ったり、高校など学校との連携を密にし、学校から生徒に企業情報を仔細に伝えてもらう事が効果的だ。自社社員から知り合いを紹介してもらうことも、社員から学生へ生の情報が伝えられるため会社とのマッチングの精度はより上がる。

また、入ってからも新人を放っておくのではなく、メンター制度などを準備し、会社の情報を随時伝えつつ、新人の不安を日々解消していくことで、「こんなはずじゃあなかった」は回避できる。

新人は「今の仕事をやるために生まれてきたんだ」と腹をくくってみたらどうだろう

ここまでは会社側の話だが、37年前から3年以内の離職者が4割もいるということは、新人側にも少なからず問題があるように思う。

慣れない仕事につまずくと、「こんな仕事向いていないんじゃないか」と思いたくなるのが人情だ。そして仕事に背を向け始めると、その会社に行くのも辛くなってきて、辞めたいという思いが頭をもたげる。

しかし、そもそも人は自分で自分自身がよくわかっていないし、どんな仕事が向いているのかなど直ぐにはわからないものだ。そんな中、好きな仕事、向いている仕事ばかりを探し始めてしまうと、童話「青い鳥」のように「外にあるはずのない幸せ」を探すような状態に陥ってしまう。

そこで、壁に突き当たった時には、こんな風に考えてみたらどうだろうか。

「今やっている仕事をやるために自分は生まれて来たんだ」と。そして、一度死ぬ気で取り組んでみることだ。

死ぬ気で取り組むことを没頭というが、没頭すれば、その仕事が楽しくなる。楽しくなればさらに没頭するようになり、そして好きにもなる。

没頭もしないで悩んでばかりいたのでは、何一つモノにはならない。

入社したご縁を天命・天職と考え、目の前の仕事に没頭してみる。離職はその後考えても遅いことはないだろう。

  • (初出)「南信州新聞」(2024年4月17日)を加筆修正

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