共同研究(バイオディーゼル燃料の合成)2

生徒のアンケート結果を以下に示す。
【実施前アンケート結果】

項目 (ア) (イ) (ウ) (エ) (オ)
1:予定されている講義・実習を集中して受講できると思いますか 0 0 12 15 8
2:習得する技術・技能について興味がありますか 0 1 6 17 11
3:習得する予定の技術・技能が活用されている業種・職種に興味が持てますか 1 1 11 11 11
4:将来は地元で働き、地域を支える人材になりたいと思いますか 1 4 10 10 10

(ア)思わない、ない (イ)あまり思わない、あまりない (ウ)普通 (エ)やや思う、ややある (オ)思う、ある

実習に関するアンケート 実習に関するアンケート2

実習に関するアンケート3 実習に関するアンケート4 

 あくまでも他の実習テーマを行なっている感触からであるが、地球環境問題に関わる実習内容には高い関心を持っていることがわかる。特に、バイオ燃料はメディアでも取り上げられていることから、自分たちも実際にバイオ燃料を合成したいという前向きな姿勢が見られる。また、これからの進路に対して参考にしたい考えを持っていると思わ れる。
 

【実施後アンケート結果】

項目 (ア) (イ) (ウ) (エ) (オ)
1:集中して講義・実習に取り組めたか 0 0 6 18 11
2:習得した技術・技能について興味が持てましたか 0 0 7 16 12
3:習得した技術・技能が活用されている業種・職種に興味が持てましたか 0 2 8 15 10
4:将来は地元で働き、地域を支える人材になりたいと思いますか 0 3 9 16 7
5:講義・実習内容は理解できましたか 0 1 11 14 9
6:講義・実習により技術・技能は習得できましたか 0 1 11 16 7


実習に関するアンケート5 実習に関するアンケート6

実習に関するアンケート7 実習に関するアンケート8

実習に関するアンケート9 実習に関するアンケート10 

 アンケートからは、概ね興味関心を増した結果となったが、実施の前後であまり大きな変化は見られなかった。それは、この地球環境問題やバイオ燃料に関する関心がもと もと高いものと思われる。化学の基礎的な実験などと比べると前向きに取り組む姿勢が見られたり、進学や就職試験において「BDFの製造」を発表する題材に選ぶものが何人か たことを考えると、実習テーマとしては適切であったと考えられる。1学期中には自分の進路が決定しているため、実施後のアンケートを聞く段階では、ほぼ地域や職種が決ま っていたと思われる。
 全体として、他の化学分析や合成化学の実験などと比べれば、今注目されているバイオ燃料は生徒にとっては高い関心を持っている。そのため、地球環境化学の授業でも扱っているが、更に実験の前にバイオ燃料の講義をしたことによってより一層、実験内容が理解できたと思われる。

考察
 昨年は、課題研究の授業で、特に関心の高い生徒に実験を行ない、本年度実習の一つのテーマとしてBDFの合成実験を行なった。3人一組の実験であるが、限られた時間の中で多くの実験操作が必要とされるため、グループ実験は効率よく出来たと思う。種々の化学実験技術の中では、特に攪拌装置を使った加熱・攪拌、反応槽内の分液、傾斜を用いたろ過については、ほぼ全生徒が正確な実験操作ができるまでに習得した。また、原料に対する試薬の分量や生成物の収量などの化学的な量関係についても会得することが出来た。
 アンケート結果にもあるように、机上だけではなく実際に実験を行い、自分たちがBDFを合成したことは生徒にとって大きな経験になった。今まで学んだ実験技術を繰返し行なうことによって、操作方法を再確認し、また、新しい実験技術を習得できたことは、実験の幅を広げることにもつながってくると思う。また、これから進学する生徒にとっ ては環境問題に取り組むための良い動機付けになったと思われ、教材としては価値のある内容だったと思う。

今後の活動
 実験設備の関係で全員ではないが、昨年同様、課題研究でBDFの製造に取り組んだ生徒が、当栄ケミカル(株)様にて成分組成や物性についての実験を行うことになっている。
 また、今後は実験器具をもう少し増やすことが出来れば、2人一組の実験となり、より実験の方法や反応について理解を深めることが出来ると思う。そして、原料となる油に ついては、校内や周辺地域で不要な廃油をリサイクルして、高性能なBDFを合成することが出来れば、より環境負荷の低い循環型のエネルギー学習に効果があると思われる。

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