「デジタル媒体」が購買行動に与える影響
商品・サービスを初めて知るきっかけは、「デジタル媒体」がおよそ半数
長野経済研究所では、2025年7月に県内在住の1,000世帯を対象に「消費動向調査」を実施しました。今回の調査では、県内消費者が商品・サービスを知るきっかけや、購入に至るまでの情報収集などの実態について明らかにしました。消費者が、購入までに時間をかけて検討した商品・サービスを尋ねたところ、「衣料品・ファッション」が40.7%、次いで「電化製品(家電・スマホ・PCなど)」が39.0%となりました。このうち最も高額だったものを1つ挙げてもらったところ、「電化製品(家電・スマホ・PCなど)」が最も多く、次いで「旅行・レジャー」、「衣料品・ファッション雑貨」の順となりました。
商品・サービスを初めて知った情報源について尋ねると、「インターネット広告」が32.4%と最も多く、「SNSの投稿」や「ブログ・レビュー記事」を含めたデジタル媒体によるものは、46.1%とおよそ半数を占めました。年代別にみると、「30代以下」では、「SNSの投稿」が27.1%と最多となっており、若年層におけるSNSの影響力の強さがうかがえます。一方、「70代以上」でも、「インターネット広告」が30.7%と最多となるなど、デジタル媒体を経由して商品・サービスを知ることが、年代を問わず主流になっています。
購入前の情報取集もデジタルが中心
商品・サービスを知ってから購入に至るまでの、具体的な情報収集の方法を尋ねたところ、「複数のサイトで価格やサービス内容などを比較・検討した」が40.8%と最も多くなったほか、「ネットで口コミ・レビューを調べた」が23.5%などとなり、デジタル媒体を経由する割合が6割を超えました。具体的には、複数のホームページの閲覧や価格比較サイトを活用する事例や、購入サイトで商品の使い勝手や評判を事前に調べる動きがみられました。このような行動をとる理由を尋ねると、「高額な商品だったため、慎重に検討したかったから」(45.1%)、「他にもっと安いものがあるか比較したかったから」(43.4%)など、価格を重視する意識や、失敗を避けたいという消費者心理がうかがえます。
事業者に求められるデジタル上での接点確保
このように消費者の購買行動の中で、デジタル媒体が中心的な役割を果たしていることが分かります。スマートフォンの普及や、口コミサイトなどWebサイトの充実により、消費者とデジタル媒体との接点は拡大しています。今後、商品・サービスを販売する事業者にとって、デジタル上で消費者との接点をいかに確保するかが、より重要になってくるでしょう。
(初出:2025年10月16日付 南信州新聞「八十二経済指標」)
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