年末の消費動向調査から2023年を振り返る<2023.12.25>

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最終更新日: 2023年12月25日

年末恒例の消費動向調査

 2023年も早いものであと1週間となりました。今回は、毎年恒例で長野経済研究所が12月に県内の約3千世帯を対象にインターネットで実施している「消費動向調査・年末調査」の結果を中心に、今年1年の出来事や景況感などについて振り返ってみたいと思います。

今年の漢字は「苦」

 まずは、「今年を表す漢字一文字」です。全国では税金の「税」が1位でしたが、長野県内では「苦(くるしい)」が1位となり、2位が「耐(たえる)」、3位が「忍(しのぶ)」でした。ちなみに、昨年は1位が「耐」、2位が「苦」、3位が「忍」でしたので、この上位3つの漢字は昨年と変わりませんでした。新型コロナはようやく落ち着いてきましたが、物価高などの影響もあり、なおも苦しく、耐え忍ぶ生活が続いているという受け止めが多いようです。
 なお続く4位には、その物価高に加え、夏の猛暑による高温などを反映し「高(たかい)」が入りました。

歴史的な快挙や偉業に沸いた1年

 次に、今年1年で印象の強かった出来事を尋ねると、1位は「イスラエルとイスラム組織ハマスが衝突」で、5割の方が回答されました。2位は「レギュラーガソリンの小売価格、1990年以降で最高値を更新」、3位は「新型コロナ、感染症法上の分類が5類へ移行」でいずれも5割弱という回答結果でした。昨年の1位は「ロシアによるウクライナ侵攻」でしたので、2年続けて軍事衝突のニュースが強い関心を集めたほか、物価上昇やコロナに関する話題も昨年に続いて上位となりました。
 一方、5位に「侍ジャパンのWBC制覇」、9位に「大谷翔平、メジャーで日本人初の本塁打王獲得」、12位に「阪神タイガース、38年ぶりの日本一」、13位に「バスケ日本男子代表、48年ぶりに五輪自力出場権獲得」とスポーツ関連の話題が並んだほか、10位には「将棋の藤井総太、初の全八冠制覇」もランクインし、改めて今年は歴史的な快挙や偉業に沸いた1年だったと感じられます。
 中でも、WBCでは中野市出身の牧秀悟選手(横浜DeNAベイスターズ)の活躍もありましたし、将棋の藤井八冠に関しては上高井郡高山村の「藤井荘」で行われた対局で名人位を獲得するなど、長野県に縁の深い話題は特に印象的でした。

県内の景況感はやや改善

 今年の「世の中の景気」について聞くと、「悪かった」が28.3%、「やや悪かった」が33.5%となり、合わせて6割を超える方が景気は「悪かった」と回答しました。ちなみに、昨年は8割近い方が「悪かった」と回答していましたので、コロナ禍の落ち着きや賃上げの状況などもあり、県民が感じる景況感はやや改善したとみられます。
 ただ、来年の景気見通しについては、「良くなる」(良くなる、やや良くなる)が14.6%、「悪くなる」(悪くなる、やや悪くなる)が38.8%となり、さらなる悪化を見込む方のほうが多いという結果になりました。この背景には、混迷化する海外の軍事衝突の世界経済への影響や、物価の高止まりの継続など、私たちの生活に関わる不安要素が多くあることが考えられます。

 

2023年12月25日放送 SBCラジオ「Jのコラム」より

 

 

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