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産学連携を中心としたデュアルシステムの取り組み

キャリア教育としてのデュアルシステム

 人手不足が深刻化する中、若手人材の確保・育成が企業にとって大きな課題となっています。 こうした状況の下、産学を中心とした連携により高校生が学校で学びながら地元企業で長期の職業実習を行う「デュアルシステム」の取り組みが実践されています。
 デュアルシステムは、職業実習(OJT)と学校教育(Off-JT)を組み合わせて実践力のある職業人を育成することを目的としています。学校教育に地域企業の実践的な技術やノウハウを取り込める点が大きな強みで、生徒の職業意識の形成や地元就職促進に果たす役割は大きいと考えられます。
 2000年代半ば頃より各地の高校や専門学校などで導入されていますが、長野県内では、まだ数校程度の実施にとどまっています。以下では、デュアルシステムを取り入れたキャリア育成に取り組む県内の2つの高校の事例を紹介します。

長野県内でみられる主なデュアルシステムの取り組み

事例(1):県内高校で初めてデュアルシステムを導入:長野県池田工業高校(北安曇郡池田町)
 機械・電気情報・建築の各分野を学ぶ学科・専攻を設置する同校は、2006年、学校の魅力向上と地域産業を支える人材育成の両立を目指し、県内の高校で初めてデュアルシステムを導入しました。
 同校のデュアルシステムは3年生の希望者を対象に実施され、26年度は17人が8社に分かれて実習を行っています。5月~12月までの間に週1回、計26日間の職業実習が組まれ、午前中に学校で授業を受けた後、午後に企業へ移動して実習を行う形式が基本です。
 導入効果として、生徒側では、多くの参加者に就職意識が向上するといった成長がみられ、実務経験を通じて働く上での責任感や自信が培われています。企業・地域側では、生徒と接する社員らが自社の魅力や技術を再認識する機会となるほか、指導役となる若手社員にとっては、人材育成に関する経験を蓄積できます。また、将来的な地元就職やUターン就職にもつながり、地域の産業基盤の維持が期待できます。

デュアルシステム1_表紙背景_1.jpg

事例(2):普通科高校における特色ある教育の柱:長野県軽井沢高校(北佐久郡軽井沢町)
 同校は公立普通科高校です。少子化が進み、公立高校にも地域の特色を生かした教育が求められる中、16年にデュアルシステムを導入し、キャリア教育の柱に位置付けています。軽井沢町に多い観光業やサービス業も実習先となり、コミュニケーション力等の育成を重視している点が特徴です。
 同校でも3年生の希望者を対象とし、26年度は就職希望者を中心に7人が6社の実習先に参加しています。5月~12月まで20回程度、生徒が直接企業を訪問して終日職業実習を行います。
 導入効果として、生徒には職場の実態や仕事の流れを理解できる貴重な機会となっています。また、実習先への就職だけでなく、大学などへの進学後に実習で興味を持った業界へ進路を決めるケースもあり、職業選択に役立っています。企業側にとっても、将来を担う生徒たちと接する機会となり、地域社会全体で人材育成に関わる意識が醸成されています。

デュアルシステム4_軽井沢高校・バス会社_1.jpg

今回取り上げた2校の事例は、経済月報10月号掲載のトピックス「産学連携を中心とした人材教育~デュアルシステムでキャリア教育~」で詳しく紹介しています。ぜひ、ご覧ください。

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