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企業に求められる脱炭素の取り組み<2026年7月13日>

国の脱炭素目標と企業に求められる対応

 わが国は、2020年10月に「2050年カーボンニュートラル」を宣言しました。具体的な削減目標として、温室効果ガスの排出量を30年度に13年度比で46%削減、35年度に同60%削減、40年度に同73%削減するとしています(図表)。
 こうした状況を受け、企業活動において、脱炭素への対応は競争力向上や企業価値向上の観点から重要視されており、サプライチェーンの中小企業に対しても、脱炭素対応に関する要請や状況把握が大企業を中心とする発注先から行われています。
 大企業にとって脱炭素は、従来のような自主的なCSR(社会貢献)ではなく、政策・市場・金融が一体となって実行を迫る「中核的な経営課題」へと変化しています。対応の進展度は、企業価値・株価評価・資金調達コスト・取引継続の可否に直結し、すでに「やるかやらないか」ではなく「どの水準まで対応できているか」が問われる段階に入っています。

図表・脱炭素目標.png

大企業が脱炭素に取り組む背景

以上を踏まえ、大企業が脱炭素に取り組む主な背景を以下の3点にまとめました。
(1)規制・制度対応の不可避性
 国の政策により、企業には温室効果ガス排出量の把握・報告・削減が制度的に求められています。さらに、今後導入が進む「排出量取引制度(GX-ETS)」やカーボンプライシングにより、排出量そのものがコストとして可視化され、財務に直接影響を与える構造へと移行します。
(2)投資家・金融市場からの要請
 環境関連の国際的な開示基準が整備される中、国内においても、上場企業を中心に開示義務・要請が急速に強化されています。金融機関・投資家は、業績だけでなく、脱炭素等への対応力を重視して投融資判断を行うようになっています。その結果、企業の脱炭素対応は、融資条件(金利、貸出姿勢)、株価評価(ESG投資の流入)、格付け(信用力の評価)などに直結しています。
(3)国際競争・取引の条件化
 グローバル企業はサプライチェーン全体の排出削減を求めており、取引先に対する要求も急速に高度化しています。結果として、企業間取引においては、「排出量の可視化(見える化)」、「削減目標の設定」、「再エネ利用の有無」などが取引条件として明示されるケースが増加しており、未対応もしくは対応が不十分な状況が続く企業は、市場から排除されるリスクが高まっています。

 上記は主に大企業に関する内容ですが、脱炭素の実現には中小企業を含むサプライチェーン全体での取り組みが不可欠です。経済月報7月号掲載の調査「脱炭素に向けた企業のサプライチェーンへの対応」では、株式会社ハーモニック・ドライブ・システムズ(東京都)と株式会社城南製作所(上田市)の事例を踏まえ、脱炭素要請の現況や組織作りの要点等について記載しています。ぜひ、ご覧ください。

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