県内で増加する外国人学生の採用
県内では日本人学生の採用競争激化を背景に、外国人学生の採用を強化する動きがみられます。中でも、専門的・技術的分野で働く「技術・人文知識・国際業務(技・人・国)」の在留資格を持つ外国人材は、2025年10月時点で3,282人と10年前のおよそ5.5倍にまで増加しています。
外国人学生を新卒採用し、中長期的な視点でキャリア形成支援や採用ルートの構築に取り組む県内企業の事例を紹介します。
長野県内における企業の取り組み
マルヤス機械株式会社(岡谷市)
マルヤス機械株式会社は、工場内の原材料・製品を自動搬送するコンベヤや自動化・省力化設備を手掛けるメーカーです。近年、日本人の理系学生の獲得競争が激しさを増す中、海外の大学生の確保に取り組んでいます。ダナン工科大学(ベトナム)の研究室と提携し、毎年2名程度の新卒学生を継続的に採用しています。
社内外の円滑なコミュニケーションのためには、高い日本語能力が必須となることから、同社では外国人材の日本語教育に力を入れています。高い日本語能力を身に付けることで、必要な技能研修を日本人とともに受講し、職場のOJTを通じて設計技能を体得することができます。
同社は、多様な働き方やキャリア形成の機会を提供し、就業を希望する外国人材の確保につなげたい考えです。その1つとして、26年5月にダナン市に子会社を設立し、外国人材が母国へ帰国後もグループ内でキャリアを継続できる体制を整えました。
アルピコホールディングス株式会社(松本市)
アルピコホールディングス株式会社は、長野県を中心に流通・運輸・観光・不動産事業等を展開する総合生活関連企業グループであり、26年8月末時点で65名の外国人材を雇用しています。
日本人学生の確保が難しくなっていることから、外国人学生の新卒採用にも注力しています。インドネシアのダルマ・プルサダ大学との包括連携協定では、社員が講師を務める寄附講座を毎年実施するなど、学生との交流や人材採用に向けた取り組みを進めています。
こうして入社した外国人材に対し、計画的なキャリア形成を支援しています。現場に近い業務を経験させ、現場の仕事への理解を深め、さまざまな職種の従業員と関わることで、円滑な人間関係を築ける能力を養っています。
管理職登用への動き
県内企業では、外国人学生を新卒で採用し、中長期的なキャリア形成を支援することで、チームリーダーとして活躍する人材を育成した事例がみられます。ただ、管理職登用に向けた取り組みは、なお途上にあります。日本の商習慣やコミュニケーション文化への理解、多様な顧客との信頼関係を築く力、現場業務を理解した上でのリーダーシップなどを継続的に育成していく必要があります。
詳細は、経済月報10月号掲載のトピックスで紹介しています。ぜひ、ご覧ください。
(2026年10月27日)