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日本経済:日本の輸出は何のため?~防衛的な輸出になっていないか~

輸出の増加は国内の豊かさにつながっているか

  輸出の本来の目的は、海外から対価を得ることで、国内では調達しにくい資源や財、サービスを購入する力を高めることにある。ところが、日本では実質輸出が実質輸入に対して相対的に底堅く推移する一方、交易条件の低迷が長期化している(図表)。輸出を維持することが、国内の実質所得や家計の購買力の向上にどこまで結び付いているかを改めて考える必要がある。

(図表)日本・韓国・ドイツの交易条件指数20260910.png

既存の供給体制を支える「防衛的な輸出」

  企業の海外展開が進んだことで、円安の効果は国内の生産や輸出よりも、海外現地法人の利益や第一次所得収支に表れやすくなっている。また、日本の交易条件は、輸入価格の上昇に対して輸出価格への転嫁が遅れる傾向にある。外需は国内の設備、雇用、技能、供給網を維持する役割を果たしてきたが、それが新たな付加価値や購買力を生む「攻めの輸出」ではなく、既存の供給体制を守る「防衛的な輸出」となっていないか。なお、サービス輸出であるインバウンドにも、国内需要の不足を外需で補うという似た構図がみられる。
 需要を高い状態に保ち、設備投資を促すことは、産業競争力を回復するための必要条件になり得る。しかし、需要や投資の量を増やすだけで、潜在成長率や国民の購買力が自動的に高まるわけではない。重要なのは、投入した労働、資本、輸入資源から、どれだけ高い付加価値を生み出せるかである。政府は個別企業や技術の「勝ち筋」を事前に選ぶより、競争力のあるエネルギー供給、送電網、物流、通信、データ基盤、基礎研究、人材育成などの共通基盤を整えることに重点を置くべきであろう(詳細は関連ファイル内のレポートをご覧ください)。

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