内需の弱さと交易条件の悪化が併存
2026年4~6月期の実質GDPは3四半期連続のプラス成長となったものの、個人消費や設備投資は弱く、内需は力強さを欠く内容となった。成長率を押し上げたのは主に輸入の減少による外需であり、交易利得および実質国民総所得(GNI)は前期比で減少した。資源価格高騰の影響などで輸入価格の上昇が輸出価格の上昇ペースを上回り、交易条件も悪化に転じている。GDPの増加だけでは捉えにくい厳しさが垣間見え始めた。
こうした中、企業は輸入原材料やエネルギー価格の上昇に加え、賃上げに伴う人件費の増加にも直面している。米国を中心に世界景気が底堅さを維持し、国内の人手不足が続けば、来年度も賃上げの動きは継続するとみられる。企業が収益を維持するためには、賃金と輸入コストの上昇を販売価格へ反映せざるを得ず、賃上げと価格転嫁が併存する形で、ホームメイドインフレ圧力が強まりやすい。
(図表)GDPデフレーターと交易条件
地域経済では実質購買力の改善に時間
価格転嫁の進み方は、業種や企業規模によって大きく異なる。最終製品を輸出し、海外需要を直接取り込める企業に比べ、地域に多い下請け型の中小企業では、労務費やエネルギーコストの上昇分を十分に販売価格へ転嫁できていない。家計についても、名目賃金が上昇しても物価が同時に上昇するため、実質購買力の改善には時間を要する。交易条件の悪化と国内物価の上昇が重なるなか、地域経済ではマクロの成長率が示す以上に厳しい局面が続くとみられる(詳細は関連ファイル内のレポートをご覧ください)。