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日本経済:長期景気拡大の陰で家計消費を支えるもの~いざなみ、アベノミクス期との比較~

 景気拡大と家計消費の実態

  日本経済は2020年5月を谷とする景気回復局面が続き、戦後最長級の景気拡大に並ぶ可能性も意識されている。しかし、家計の景況感は依然として低水準にとどまり、企業の業況判断との乖離が大きい。本稿では、実質家計最終消費支出を(1)CPIベースの実質家計可処分所得、(2)平均消費性向、(3)CPIと家計最終消費支出デフレーターの相対価格の3要因に分解し、いざなみ景気、アベノミクス期、アフターコロナ期を比較した。

消費回復を支えたのは「所得増」ではなく「消費性向の上昇」

  分析の結果、アフターコロナ期の家計消費は、実質家計可処分所得や相対価格が下押し要因となる一方、平均消費性向の上昇によって支えられていることが分かった。これは、家計が豊かになった結果として消費を増やしたというよりも、貯蓄に回す割合を低下させることで消費水準を維持している姿を示している。物価上昇に所得の改善が追い付かない中で、生活必需品への支出を維持するために貯蓄余力や選択的支出を圧縮している可能性があり、家計消費の回復と生活実感の低迷が併存する背景と考えられる。
  もっとも、平均消費性向の上昇には、物価高への対応だけでなく、株高による資産効果も含まれるとみられる。資産を保有する家計では金融資産価値の上昇を背景に消費を拡大しやすい一方、資産保有が少ない家計では実質購買力の低下に直面している。アフターコロナ期の家計消費には、資産保有層とそれ以外の家計で消費行動が分かれる「K字型」の特徴がうかがえる。持続的な消費拡大には、貯蓄の取り崩しや資産効果に依存するのではなく、幅広い家計の実質所得と購買力の改善が不可欠である(詳細は関連ファイル内のレポートをご覧ください)。

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