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金融市場:考査実施方針からみた金融政策の今後

金利正常化局面における考査方針の意義

 日本銀行が公表した2026年度考査実施方針は、長期にわたる超低金利からの転換点において、金融機関のリスク構造が質的に変容していることを明確に示唆する内容となっている(図表)。特に、金利上昇環境下で顕在化した有価証券評価損、預金流出リスク、さらには内部モデルに依存したコア預金判定の妥当性など、従来の「危機時対応」中心の流動性監督から大きく踏み込んだ点が特徴である。同時に、期間収益の二極化が進むことで、収益力の低い金融機関が逆ザヤや含み損により脆弱性を高める構図が浮き彫りとなり、利上げの継続可否を判断するうえで、個別行に対するモニタリングの重要性が従来以上に高まっている。

(図表)考査実施方針の主な変更点(筆者作成)

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金融政策運営と地域金融機関の将来像

 本方針が示す含意は、利上げの継続を前提としつつも、金融システム安定への配慮から利上げのインターバルを維持する必要性が強まっている点にある。加えて、地域金融機関では営業基盤縮小や人員減少といった構造問題が深刻化しており、日銀は考査・オフサイトを通じてビジネスモデル転換や再編を促す局面に入ったと読み取れる。金利のある世界への移行が定着する中で、金融政策の帰結はマクロよりもミクロの脆弱性に強く依存する局面にあり、考査実施方針はその兆候を端的に示すシグナルとなっている(詳細は下記の関連ファイル内のレポートをご覧ください)。

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