栄通信工業株式会社は、精密板金・プレス部品メーカーとして1960年に創業し、その後、塗装分野にも事業領域を拡大してきました。
現在は、電子部品実装装置や半導体製造装置、産業機器などに用いられる筐体や外装部品を中心に、幅広いニーズに応えています。
板金加工から塗装・組み立てまでワンストップで対応
イチ押しは、板金加工から塗装・組み立てまでの全工程を自社で完結できる一貫生産体制です。この生産体制を支える強みとして、「自社塗装工場」「VAVE提案(設計改善による品質・コスト・納期の最適化)」「品質・生産管理」「外観部品のノウハウ」の4点が挙げられます。
第1は、自社塗装工場の保有です。これにより、別会社に依頼した場合に発生する工程間の調整や輸送に係るコストを省き、製造コスト削減とリードタイムの短縮を実現しています。また、品質管理や生産管理も一体化されているため、安定した品質の確保にもつながっています。
第2は、設計・試作段階からのVAVE提案です。この提案により、量産を見据えた設計改善や構造見直しを行い、コスト低減や品質向上、納期短縮に貢献しています。特に複雑な構造を持つ筐体などは、年間1,000件近い板金部品を手掛ける実績とこれまで蓄積したノウハウを生かした具体的な提案力が強みとなっています。
第3は、徹底した品質管理と生産管理体制です。ロボット導入などにより自動化を進め、生産管理体制の高度化に取り組んでいます。これにより、安定した品質と納期が実現し、月当たり約8万点の製造も可能な生産能力を備えている点も強みになっています。
債4は、外観部品に関する豊富な実績とノウハウです。同社は筐体や外装部品といった外観の品質が重視される分野で多くの実績を有し、自社の溶接部門と塗装部門の連携によって美観に優れた仕上がりを実現できます。また、塗装工程を別会社に依頼した場合に発生する工程の分断がないことから、仕上がりに関する不具合が発生した場合の原因の特定改善も迅速に行えます。
これら4つの強みが相互に補完し合うことで、同社の一貫生産体制は単なる工程集約にとどまらず、品質・コスト・納期の総合的な競争力につながっているほか、顧客の多様なニーズに対応できる点も大きな強みと言えます。

外観品質が求められる精算機用筐体
環境に優しいものづくり企業を目指して
同社は、塗装工場には基準値を大幅に下回るレベルで廃液を処理できる専用の排水処理装置を設置したほか、温室効果ガス排出量を国際基準に則って削減させるために中小企業向けSBT認定を取得するなど、環境保全や脱炭素にも積極的に取り組んでいます。
今井政彦社長は、「これからも自然と人とが調和したものづくりに取り組み、高品質な製品を迅速に提供していきたい」と語ってくれました。

溶接と塗装の高品質な仕上がりを実現した産業装置用のアルミ溶接カバー(写真上)
高精度短納期対応を実現した半導体製造装置用ファンユニット部品(写真下)