2020年6月に施行された改正食品衛生法が、2021年6月より完全施行されることに伴い、食品関連事業者に対し行政機関からはもちろん、販売先からもHACCPによる衛生管理への対応が求められるケースが多くなっています。本稿では、HACCP基準を満たす第三者認証として最近注目を集めているJFS-B規格について説明します。
JFS-B規格認証取得組織の大幅な増加
JFS規格とは、食品安全マネジメント協会(JFSM)が発行する食品安全マネジメントの認証規格です。同協会は農水省の支援の下、アサヒビール、味の素、イオン、セブン&アイ・ホールディングス、日清製粉といった国内の主要食品関連事業者が2016年に設立した組織で、同協会が発行する当規格は、国内業者による国内業者のための食品安全規格と言えます。
要求事項(規格の適合条件)が少ない順に、JFS-A、JFS-B、JFS-Cという3段階のステップアッププログラムから構成されており、組織の状況に合わせた認証取得や段階的なレベルアップも可能です。中でもJFS-B規格については、認証取得組織が大幅に増加しており、発行から約4年で1,200件を超えるまでになっています(2021年3月29日時点で1,290件)。
HACCP基準を満たすJFS-B規格
JFS-B規格は、食品安全マネジメントシステム(FSM)、ハザード制御(HACCP)、適正製造規範(GMP)の3つの要素から構成されています。中でもハザード制御については、7原則12手順からなるCodex HACCP(食品安全の国際基準)の全てを包含していることから、HACCP基準を満たした、すなわちHACCP制度化に対応した第三者認証であると言えます。
規格の要求事項は分かりやすくコンパクトにまとめられており、規模や設備の状況に関わらず適合証明を取得できる内容となっています。そのため、小規模事業者にも取り組みやすい規格となっています。
また、規格の中にはISO22000、FSSC22000、JFS-Cなど、食品安全に関する各種国際規格に共通するHACCP基準と、一般衛生管理と呼ばれる食品安全管理の基礎が含まれています。このため、将来的な規模拡大や海外展開を見据えた上位レベルの管理体制構築を視野に入れている企業が、最初に取得する認証としても適しており、それが当規格の人気の高さに表れていると言えるでしょう。
適合証明取得の効果
JFS-B規格の適合証明取得による主な効果として、以下が挙げられます。
- 自社製品が安全・安心であることを、取引先や消費者に示すことができる
- 要求事項に沿った管理体制の整備により、食品衛生の管理レベルや従業員の意識が向上する
- 衛生管理マニュアルや作業手順書の整備が進み、新入社員教育にも活用できる
- 監査機関の客観的な視点を取り入れ、安全・安心な食品づくりが可能となる
- 取引先による二者監査の省略または簡略化につながり、双方の管理負担を軽減できる
当研究所では、JFS-B規格認証取得支援のほか、さまざまなHACCP制度化への対応をお手伝いしています。導入をご検討中の企業の皆様は、ぜひご相談ください。
(本情報は、経済月報2020年12月号「相談コーナー」に掲載した記事に加筆修正したものです)