県下トップクラスの施工実績を誇るハード管を活用した農業用ハウス
(株)トマツ本店は、種苗や農業資材を販売する創業128年の老舗企業です。1897年、初代の外松松次郎氏が刀研ぎの傍ら種子を販売したことが始まりで、1957年に現社名へと変更しました。経営理念は、「営業活動を通して農業の発展の為に貢献する」で、地元の農業を支えるとともに、種苗販売と農業用ハウスの施工を同時に手掛ける県内唯一の企業として、愛知県北部や山梨県にも営業エリアを拡大しています。
自社工場で農業用ハウスのハード管を加工
イチ押しは、県下トップクラスの施工実績を誇る農業用ハウスです。修繕などを含め年間500棟ほどの施工を手掛けています。
特徴は、骨組みの部分にハード管を採用している点です。ハード管は高張力管とも呼ばれ、硬くて変形しにくい素材でできており、同社がそれまで扱ってきた従来品のパイプ管に比べ、外部からの圧力や衝撃に強く、メッキ処理もされているので、耐久性にも優れ、長期間使用できるのがメリットです。また、ハード管の加工は全て同社の高森工場で行っているため、角度や形状などさまざまな農家からの要望にしっかりと対応できます。
同社が施工した農業用ハウス。間口3.6m~6.0mまで対応する
記録的な大雪がきっかけでハード管へ
パイプ管からハード管へ全面的に切り替えたきっかけは、2014年2月の記録的な大雪です。この時は、南信地方も大雪に見舞われ、多くの農業用ハウスが雪の重みで倒壊するなど、地元農家に大きな被害が出ました。同社は、今後もこうした事態が起きることを見越してパイプベンダー加工機やプレス機を導入した上で、試行錯誤を繰り返しながらハード管加工の技術を確立してきました。
総合力で地域の農業を支えたい
同社は、農業用ハウス以外にもさまざまな農業用資材の提供を通じて農家のサポートを行っています。取り扱う資材は約3万点に上り、ハウス内の温度や湿度、二酸化炭素の量などをパソコンで把握できる「プロファインダー」や、夏場の日差しで室内の温度が上昇してしまうことを軽減する「遮熱フィルム」など、スマート農業や酷暑に対応する資材も取りそろえています。
また、野菜や果物、花卉(かき)などの種苗販売では、トマトやキュウリ、ブロッコリーといった一般的な野菜から、飯田冬菜やイイダかぶ菜といった地域の伝統野菜まで、多種多様な作物の種子を取り扱い、種苗メーカーや地元の農業協同組合と連携を密にとりながら、地域の農業に適した種苗を常に提供できるよう日々努めています。
「今後も、パイプ管を駆使した丈夫で長持ちするハウスを農家の方々に提供していきたい。また、種苗から栽培、収穫までトータルにお客様のサポートができるのが強みなので、総合力で地域の農業を支えていきたい」と外松真一社長は語ってくれました。
ハウス内環境測定機器の「プロファインダー」。ハウス内の温度・湿度などの環境をリアルタイムで確認・記録できる
産業調査
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