躍動する信州のITカンパニー 林エンジニアリング株式会社

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最終更新日: 2023年10月10日

代表 林 政広

 林エンジニアリング株式会社

  住所:駒ケ根市飯坂1-32-2
      設立:2017年7月
  従業員数:9人
  事業内容:省力化設備の設計・組立、スマート農業事業
  電話:0265-98-8991

当社のコア技術・強み

 当社は、産業用機器を中心とした省力化設備の設計から組立、設置、アフターメンテナンスまでワンストップでサービスを提供しています。また、産業用ロボットやNC工作機械に多く利用される「電磁ブレーキ」の開発も行っています。電磁ブレーキは機械の通電が切れた際、ブレーキが掛かり停止状態を維持する働きを持ち、停電時の緊急制動といった安全装置にもなります。
 さらに、近年は農業用機械の分野にも取り組んでいます。今まで当社が省力化設備の事業で培ってきた技術やノウハウを農業用機械に取り入れることで、農業と産業が融合し、農家の方々に役立つ新たな可能性を発見できると考えています。

コア技術の活用事例

 このたび、長野県の「コンソーシアム活用型ITビジネス創出支援事業」の採択を受け、電磁ブレーキを用いた「生産設備のAI予知保全システム」(下イメージ図)の新規開発を進めています。
 電磁ブレーキを使用すると、摩擦材と呼ばれる重要部品に摩耗が発生します。この摩耗が一定量進むとブレーキが利かなくなり、サーボモータ等が正常に稼働できない状態になります。しかし、本システムを使えば、現状のセンシングデータを可視化することで将来の摩耗状況を予知し、早めの部品交換によって機械を正常な状態に維持できます。摩耗の可視化に特に有効とされているのが電流測定であり、当社では以前より電磁ブレーキにおける励磁電流の波形が摩耗に伴い変化することを研究していました。
 こうしたデータの可視化や障害回避等のシステムは実用化が遅れており、事故や障害が起きる前に予知可能となる本システムは、最も必要とされる安全技術だと捉えています。
 一方、農業分野では「ブロッコリー自動選別収穫機」の開発に携わっています。国の生物系特定産業技術研究支援センターから試験研究委託を受け、複数の企業や研究機関と共同開発を進めています。当社は、収穫機の設計・製造といった根幹の部分を担うことで、スマート農業の実現に取り組んでいます。

今後の事業展望

 今後は、「生産設備のAI予知保全システム」の商品化に向け、コンソーシアムによる企業連携の強みを活用しながら、これまで以上に関係各社様との連携を緊密にし、販売ルートの開拓や開発体制の強化に取り組んでいきます。
 また、農業分野の軸となっているブロッコリー選別収穫機の開発も継続していきます。現在は試作機の改良段階ですが、今後は量産試作機として、より基本性能・収穫精度・品質・安全性を高めていきます。さらに、こうした農業用機械にも「AI予知保全システム」を搭載し、製品の付加価値を一層高めていくことを計画しています。農業分野への参入のきっかけになった、地元である駒ヶ根市との連携もさらに強化しつつ、地域の農家の方々にも還元できるような技術サービスも開発していきたいと思います。
 産業分野と農業分野で全く畑違いのコア技術ですが、2つを融合させ、より大きなシナジー効果を生み出していきたいと考えています。

このページに関するお問い合わせ

産業調査

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