躍動する信州のITカンパニー マイクロストーン株式会社
代表 白鳥 敬日瑚 |
住所:佐久市新子田1934 |
当社のコア技術・強み
当社の社会的意義(パーパス)は「人の、機械の『いのち』を活かす」です。加速度センサやジャイロセンサなど、人や機械の動きを感知し、見える化する「モーションセンサ技術」を製品開発のベースにしています。
創業のきっかけは、私(白鳥敬日瑚)の父が入院した際に、当時の病院での数値管理が行き届いていなかった点に驚き、きちんと人の状態が計測でき、人のお役に立てるセンサシステムを提供したいと考えたからです。創業後、長野県工業技術総合センターや信州大学、神戸市に所在する(公財)新産業創造研究機構(NIRO)等と、経済産業省のコンソーシアム事業に採択していただき、共同開発を行いました。
2002年に腕時計型行動識別計を開発しましたが、当時は市場が熟成しておらず製品の浸透には至りませんでした。ただ、この共同研究でその後の事業の礎となる、無線技術と解析アルゴリズムの開発ができ、現在の主力製品でもある「8チャンネル小型無線モーションレコーダ― MVP-RF8シリーズ」などの製品につながっております。現在は、それらの製品を工場の設備の異常監視システムや、人体の動作計測システムなどに活用いただいています。
コア技術の活用事例
センサを背中と腰の2点に取り付け、10mほどの通常歩行の状態を計測すると、瞬時に歩行解析ができるシステム「THE WALKING」を開発しました。左右のバランスや動きの滑らかさ、ふらつきの大きさなども数値化します。佐久市役所と佐久市民の皆さんに6カ月間にわたりご協力をいただき完成した人工知能(AI)を用いて、「転倒リスク」も表示できます。さらに、理学療法士と共同で5つの歩行改善体操を開発し、歩行の特徴によって推奨する改善体操も自動表示され、改善策まで提示します。この「計測から改善体操までの一貫したプログラム」を「歩行ケア」と名付け、展開を始めました。
従業員の高年齢化に伴い、企業内での転倒災害が社会問題化しています。「歩行ケア」は、企業の安全衛生や健康経営の面から評価され、転倒災害低減のための対策ツールとして国内大手自動車会社などに活用いただいています。
今後の事業展望
「THE WALKING」に、新たに開発したクラウドシステムを装備することにより、全国からのデータ収集および解析が可能となりました。この環境を利用し、22年8月、理事長にJリーグ前チェアマンの村井満様にご就任いただいて「(一社)RainboW Walking」を設立し、民間から協賛を募って、全国の小中学校に「歩行ケア」の普及および理学療法士を派遣する事業を開始しました。
23年度は佐久市内の全21小中学校を含む、県内、東京都など、30校ほどで「歩行ケア」の導入が決定しており、30年には全国の小中学校の約3割での導入を目指しています。本事業を通じて、全国の子供たちの健全な発育発達に貢献していきたいと思います。
産業調査
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