高精細な液晶ディスプレーを実現する「スリットコーター」

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最終更新日: 2022年7月8日

 プレマテック(株)は、(株)飯沼ゲージ製作所が2022年1月にフジプレアム(株)(兵庫県姫路市)の連結子会社となったことから生まれ変わった会社です。液晶ディスプレー製造装置の1つ「ラビング※装置」で世界トップシェアを誇っており、フジプレアム(株)と技術を補完することでディスプレーの市場拡大を目指しています。
 ディスプレー等のパネルにフィルムやガラスを貼合する方法として、同社は液状の技術(OCR)、フジプレアム(株)はフィルム状の技術(OCA)を得意としています。                                                                 

 ※ 液晶の分子を一定方向に並べることで高性能なパネルに仕上げる工程

薄さ、塗布の均一性などで高い精度を実現

 イチ押しは、同社が得意とする液状の接着剤を薄く均一に塗布する装置「スリットコーター」です。ガラスや樹脂のパネルは、さまざまな機能素材を貼り合わせることで、映像の見やすさやタッチパネルの操作性などの機能を実現しています。スリットコーターは、その貼合工程の中で、接着剤等を塗布する工程を担っています。
 同社のスリットコーターは、使用する接着剤等が持つ粘度等の性質に合わせ、接着剤を押し出す送液機構に工夫を凝らし、また動きをきめ細かく設定することで、「薄さ」や「塗布の均一性」を高い精度で実現しています。
 また、装置のラインナップを増やすことで、顧客の多様なニーズに応えています。例えば、曲面素材に対応できるように、スリットダイ(切れ目状のノズル)が塗布する素材の形状に合わせて自動で角度を変えながら塗布する「曲面スリットコーター」や、塗布幅の異なる素材に対応できるよう、操作画面での簡単な設定変更により、ダイ(ノズル)交換をせずに、塗布幅の変更ができる「塗布幅可変スリットコーター」などがあります。
 こうした納入先ごとのニーズに応えるための幾多の試みが幅広い技術やノウハウにつながり、同社の強みとして蓄積されています。
 さらに、タッチパネルの生産ラインやさまざまな製造工程を一括して請け負うなど、企画・開発から、設計・製造・部品の調達、自社製作・装置組立・アフターサービスまで、全てのサービスをワンストップで提供しています。       

スリットコーターが曲面シートに塗布する様子

車載向けの他、VRやAR等用途の広がりに期待

 自動車の電装化により、車内のインジケーター等のデジタル化、形状の曲面化、タッチパネル機能の付加などが進んでいます。こうした中で、同社の技術でカバーできる領域は広くなっており、受注増加につながっています。
 今後、仮想現実(VR)、拡張現実(AR)用ゴーグルのほか、窓や鏡にデジタル画像を映し出すための需要はさらに増加することが予想され、ガラスや樹脂にさまざまな機能を付加する塗布・貼合技術の用途は広がる見通しだ。玉田達哉社長は「高度な貼合技術で、デジタル社会の進展に貢献していきたい」と語ってくれました。

 

 
  


 

 プレマテック 株式会社

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