躍動する信州のITカンパニー 株式会社ヤマテン
代表 猪熊 隆之 |
住所:茅野市豊平638番地1-402 |
当社のコア技術・強み
(株)ヤマテンは、国内唯一の山岳気象専門の予報会社として、山岳地域の交通機関、スキー場、テレビや映画の撮影チーム、山岳レースの大会などに向け、多岐にわたって気象情報を提供しています。また、国内にとどまらず、日本テレビの人気番組「世界の果てまでイッテQ」の登山隊や、エベレスト最高齢登頂を果たした三浦雄一郎氏などの登山家へも、世界各地の山岳地域の気象情報を提供しています。
その中で収益を支えているのは、一般登山者向けの「山の天気予報」です。月額330円で全国18山域59山の山頂天気予報など、さまざまなサービスをご利用いただくことができます。
弊社の強みは、予報精度が高いことと、登山者の視点に立った予報を出していることです。前者の背景には、日々、予報の検証を実践する山岳気象に精通した気象予報士の存在があります。また、後者においては、想定される気象リスクを具体的に明記するなどの詳しい解説があります。
コア技術の活用事例
このたび、長野県の「コンソーシアム活用型ITビジネス創出支援事業」の補助金等を活用し、「山の天気予報」を大幅にリニューアルしました。最も大きな変更点は、予報対象を330山に増やしたことです。これまで、変化が激しく予想が難しい山岳気象で弊社が予報精度を高めてこられたのは、気象予報士が手作りするという極めてアナログ的なやり方によるところが大でした。しかし、そのために発表できる山が限られるというデメリットもありました。そうした中で、「登山者の気象遭難をゼロにする」という企業理念の達成に向けて、発表する山の数を大幅に増やすことを決断しました。そのためには、予報を自動化する必要がありますが、弊社の生命線とも言える予報精度の低下につながってしまう可能性がありました。
そこで取り組んだのが、高精度アルゴリズム(計算方法)の開発です。弊社が長年蓄積してきた山岳の実況値と、数値予報と呼ばれるコンピュータが計算した気圧、気温、相対湿度などの予想値との関連性をアルゴリズムに組み入れ、1つ1つの山ごとにその気象特性を考慮した計算式を作成していきました。膨大な作業になりましたが、その結果、予報精度をそれほど低下させることなく、330山での予報を行うことができるようになりました。
今後の事業展望
1つには予報精度向上への飽くなき努力を続けていくことです。そのために、地元の大学などと協力して山岳における気象観測を実施し、それをアルゴリズムに組み入れたり、人工知能(AI)を活用して予報精度向上につなげる取り組みを進めていく考えです。
また、ユーザーの利便性を高める情報サービス機能向上のためのシステム開発に加え、安全登山のサービスを提供しているコミュニティサイト「ヤマレコ」や、会員制捜索ヘリサービス「ココヘリ」などとの連携を進めていくためのプラットフォーム機能の開発を進めていきます。
産業調査
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