フリーズドライ業界

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最終更新日: 2022年5月11日

最近の業界概要

  • FD 製法とは、素材や調理済の食品をおよそマイナス30度で凍結させ、真空凍結乾燥機で乾燥させる技術である。この製法は、原材料の色、味や香り、栄養価、食感等が損なわれにくく、お湯を注ぐとすぐに復元するといったさまざまな長所がある。
  • FD メーカーには、図表1のとおり、大手食料品メーカーのほか、大手食料品メーカーのグループ系列内にあるFD 専業メーカー、系列に属さない独立系FD専業メーカーの3つの形態がある。このうち、独立系のFD 専業メーカーは、自社のオリジナル製品の製造を行うほか、主にFD 製造設備を持たない食料品メーカーからのFD 受託加工や、販売力の強い大手スーパーやコンビニエンスストアのプライベートブランド(PB)製品のOEMを事業の柱としている。
    業界団体の加盟企業は図表2のとおりである。
  • FD 製品は、ネギ、エビなど具材単品をFD 処理する「素材類」と、具の入った味噌汁やおかゆなど調理済の食品をFD 処理する「成型食品類」の2つに大別される。「素材類」の品目別生産量は、図表3のとおりここ10年はほぼ横ばいだが、「成型食品類」は図表4のとおり増加基調にある。2020年度の品目別構成比では味噌汁が51.8%と最も多く、次いでスープ類が37.2%となっており、これら2品目で全体の9割を占める。成型食品類が増加している背景には、高齢者の単身世帯や共働き世帯が増え、調理方法が簡便な食料品に対するニーズが高まっていることや、11年の東日本大震災をきっかけとした防災食ニーズの高まり、20年以降は新型コロナの影響による巣ごもり需要などがある。

     

図表1 全国の工作機械受注総額の推移

長野県内の動向

  • 県内の主要なメーカーには、食料品関係のグループ企業に属さない独立系企業とグループ系列のメーカーがある。
     独立系で比較的規模の大きなメーカーは、自社オリジナル製品を生産するほか、食料品メーカーからの具材のFD加工の受託や、OEMで製品の設計製造から包装まで行い、スーパー等の量販店のPBも同様にOEMを行っている。また、グループ系列のメーカーは、素材等のFD 受託加工を中心としつつ、他社からの受託生産も行っている。(詳細は経済月報5月号をご覧ください。)

 

 

 

 

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