消費者の立場でできるCO2排出量削減策

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最終更新日: 2022年5月10日

消費者の行動変容でCO2排出量削減へ

 最近、企業のCO2排出量の削減が課題としてクローズアップされています。しかし、そもそも企業が生産する製品または提供するサービスの多くは、私たち消費者の需要があって生み出されているのです。
 そう考えると、私たち消費者の行動を変えることが、CO2排出量削減にとって重要であることが分かります。CO2排出量を消費面からみる場合、製品ごとに、製品を生産する際に発生するCO2の量を推定した上で、さまざまな製品やサービスの利用を通じて、消費者1人が平均でどのくらいのCO2排出に関わっているかを推定するという考え方があります。
 国立環境研究所(以下、環境研究所といいます)は、上記の考え方で、個人1人当たりのCO2排出量を推計しています。その推計を基に、CO2排出量削減につながる消費行動と削減量も算出し、消費者の行動変容を促そうとしています。主要都市別(52都市、10地方、4大都市圏)に推計をしており、長野市についても公表がされていますので、以下ではその数値を基に個人のCO2削減の消費行動を考えてみます。
 長野市の1人1年当たりの消費を通じたCO2排出量は、図表1のとおり7,650kgです。2030年に地球温暖化を1.5℃未満に抑えるという国際目標を達成するには、個人のCO2排出量は年約3,000kgに抑制することが必要と言われています。これに基づくと、長野市の場合は4,650kg(7,650kg-3,000kg) の削減が必要となります。 

個人が実行できる具体策とその効果の「見える化」

 環境研究所では、個人がCO2排出量削減に取り組む場合の具体的な項目と、それを実行した場合のCO2排出量の削減効果(数量)も公表しています。図表2は「住居」「移動」に関する項目ですが、他に「食」「消費財・レジャー」などの項目があります。例えば、「住居」関連で、「自宅に太陽光パネル設置・調理機をIHに」(1,340kg)、「自宅を断熱リフォーム」(170kg)などを行い、「移動」関連で、「マイカーを電気自動車(充電は再エネで)」(580kg)、「通勤・通学を公共交通機関で」(300kg)にすることで、合計2,390kgのCO2削減につながります。
 企業に比べ、遅れていた個人の取り組みに対して、このように具体策と効果が見える化されたことで、個人や地域の脱炭素に向けた具体的な行動がさらに促されることが期待されます。
 詳細は以下URLからアクセスできます。
 https://lifestyle.nies.go.jp/
  

 

 

 

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