地域資源の活用や地域との連携で魅力を高める県内キャンプ場の動き<2022・03・10>

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最終更新日: 2022年3月10日

新型コロナで再評価され、人気が高まるキャンプ

 便利なキャンプ用品やキャンプ場の設備の充実、予約ウェブサイトの普及などを背景に、キャンプ人口は増加傾向にあります。足元のキャンプ場利用者は新型コロナの影響により一時的に減少しましたが、3密回避の観点からキャンプの良さが再評価され、人気は再び高まっています。
 ここでは、キャンプ場の変化や工夫に焦点を当て、県内でサマーシーズンにスキーゲレンデを有効活用したキャンプ場と公営キャンプ場の指定管理者となった民間事業者の取り組みを紹介します。 

20種類を超えるアクティビティとスタッフのサポートが魅力【斑尾高原キャンピングパーク:株式会社アビラ(飯山市)】

 斑尾高原キャンピングパークでは、サマーシーズンのアクティビティとしてジップライン、アーチェリーなどが楽しめますが、それらを含め千曲川のラフティングやルアーフィッシングなど斑尾高原の30種類のアクティビティを楽しめる斑尾高原観光協会の「斑尾パスポート」を前面に出して、キャンプ場予約サイトで魅力を発信しました。キャンプ場が山と川などの豊富なアクティビティと結びついたことで、当キャンプ場はファミリー層の心をつかみ、利用者数が増加しています。
 また、スタッフによる充実した利用者サポートも強みです。常時5~6名が配置されキャンプ場を巡回しており、困りごとにすぐに対応してもらえるため利用者の高評価につながっています。
  

 

個性あるキャンプ場同士がネットワークをつくり情報発信【四徳温泉キャンプ場:Waqua合同会社(上伊那郡中川村)】                   

 四徳温泉キャンプ場は、周囲の森林資源を生かした自然体験を提供するのが特徴で、多くのファミリー層に利用されています。
 キャンプ場を運営するWaqua(合)では、地域に点在する小規模なキャンプ場7つをネットワーク化して、地域全体やそれぞれの魅力を情報発信することで、エリアをブランディングしようと考え、複数のキャンプ場などと共同で20年7月に「南信州キャンプセッション」を立ち上げました。そして、7つのキャンプ場を平日なら何度でも利用できるソロキャンパー限定のサブスクリプションサービス「CAMPLIFER」の取り組みを開始しました。これにより、平日の需要を喚起できたほか、南信州のキャンプ場を知らなかったユーザーが複数のキャンプ場を訪れたことで、南信州と地域のキャンプ場の認知度が高まっています。

  

 

地域の魅力を組み合わせることで価値を高める)

 斑尾高原キャンピングパークは、ファミリー層向けに快適な設備とスタッフのサポート体制を整え、地域のアクティビティとの連携を図ることで集客につなげています。また、四徳温泉キャンプ場は、自然体験の提供とともに、地域の個性的なキャンプ場と連携したサブスクリプションサービスというキャンプ場の魅力づくりに取り組んでいます。紹介した2つのキャンプ場は、これまでにないアプローチから地域の魅力を組み合わせ、見える化し情報発信することで集客につなげています。県内には多くのキャンプ場があり、こうした動きが広がることでこれまで以上に活性化していく可能性が十分あると思います。

※2社の取り組みは、経済月報2022年3月号掲載のトピックス「地域資源の活用や地域との連携で魅力を高める県内キャンプ場の動き」で詳しくレポートしています。ぜひ、ご覧ください。
 

 

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