創業百年、品種と産地にこだわった寿高原食品の「自然ジャム」

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最終更新日: 2021年11月10日

 寿高原食品(株)は、1919(大正8)年創業の更級杏ジャム株式会社を前身とする、創業100年を超える果物加工メーカーです。
 当時から千曲市周辺ではあんずが多く栽培されていましたが、漢方薬に使用される種だけ採取され、実(果肉)は廃棄されていました。創業者の水井壽穂氏はこの廃棄されていた実をジャムやシロップ漬けにして商品化したのです。その後、加工に用いる果物の種類を増やし、24年には青森県に工場を設置し、日本初となるりんごジュースを商品化しました。62年には寿高原食品株式会社を設立し、その後、カレールーの原料となるりんごペーストやヨーグルト用フルーツソースの開発・生産など常に業界の先端を走ってきました。近年は、2014年に本社工場でISO22000を取得し、安全・安心でクオリティの高い製品づくりを進めています。
 売り上げ構成は、果物を一次加工した果汁やピューレ等を食品メーカーに供給する業務用が8割を占めていますが、最近は一般消費者向けのジャムやジュースなど自社製品にも力を入れています。  

品種と産地にこだわった「自然ジャム」

 イチ押しは自社ブランドの「自然ジャム」です。この商品の特徴は、果物の果肉そのものの食感にあります。果物の品種や産地を厳選しており、例えば、あんずジャムは「平和」、りんごジャムは「紅玉」という品種とし、長野県産を使用しています。いずれも酸味は強いが果肉がしっかりしており、ジャムに加工しても食感が残る品種です。食感が残るため、粘度を高めるペクチンなど添加物は使用していません。また、いちごやブルーベリーのジャムも、果肉の食感が残る品種として、それぞれ、とちおとめ(栃木県産)、ワイルドブルーベリー(カナダ産)を使用しています。品種と産地にこだわった果物に砂糖だけを加え、時間をかけて煮詰めることで、果肉感の際立った商品に仕上げています。   

贈答用の「自然ジャム」のセット。2個入り、3個入り、6個入り
がある。同社オリジナルのショッピングサイトからも購入できる
 

容器にもこだわりを持つ

 また自然ジャムは、容器にもこだわりがあります。白いガラス製の器には果物のイラストを施し、キャップは金色に仕上げています。そこから感じられる自然の優しさと漂う高級感から、贈答用の詰め合わせとしての高い人気があります。
 自然ジャム1個当たりの容量は390g(容器含む)で、価格は果物の種類により税込み648~864円となっており、贈答用セットで組み合わせるジャムの種類は自由に選ぶことができます。 

食を通じて豊かな社会の実現に貢献したい

 同社の豊野工場(長野市)は19年の台風19号被災しましたが、22年5月に防災と生産効率化を図った新工場が竣工する予定です。水井社長は、「これからも“くだもので笑顔を”をモットーに、品種、産地にこだわった商品づくりで、食を通じて豊かな社会の実現に貢献していきたい」と語ってくれました。
  

 

豊野工場は、3階建で防災機能を高めるとともに、3つの建屋に分
散している製造ラインを集約し、22年5月に稼働を開始する予定

 

寿高原食品 株式会社

 

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