印刷業

印刷

最終更新日: 2021年9月10日

最近の業界動向

  • 印刷業は、出版社や企業、官公庁などからの注文を受け印刷業務を行う受注産業である。書籍などを印刷する「出版印刷」、宣伝用チラシやカタログなどを印刷する「商業印刷」、商品の包装資材や紙媒体以外にも印刷する「包装印刷」などがある。
  • 全国の市場動向をみると、図表1のように事業所数、製造品出荷額等ともに減少し、マーケットは縮小傾向にある。零細企業を中心に後継者・従業員不足が進み、廃業が増えている。
  • 印刷業の生産金額は、従来、商業印刷と出版印刷が大きな割合を占めてきた。しかし、出版印刷は書籍や出版物の減少に伴い大きく落ち込んでいる。また商業印刷も、近年は企業広告の減少のほか、企業・官公庁のIT化に伴うペーパーレス化、印刷の内製化などを背景に、生産金額は伸び悩んでいる。一方、包装印刷は、商品の多様化や印刷技術の進歩などから生産金額が増加基調にある。

図表1 全国の印刷業の事業所数・製造品出荷額等の推移

長野県内の動向

  • 長野県内の事業所数は、図表2のように全国同様減少傾向にある一方、製造品出荷額等はほぼ横ばいで推移している。商業印刷の減少などから紙に印刷するオフセット印刷は低調なものの、包装印刷など紙以外の印刷の増加が下支えしている。
  • 顧客ニーズを取り込むには、課題を解決する自社の強みや特性が必要になる。IT関連事業に強みを持つ事業者は、WEB媒体の作成やデータベース管理などの業務分野への進出、製品のPR動画作成など、広告代理店的な事業への展開も考えられる。
  • 包装印刷の分野では、近年、高齢化や個食化の進展などから食品向け小容量袋を中心に需要が増加しており、印刷量も増えている。県内には、高齢者など力が弱い人でも容易かつきれいに開封できる包装袋を自社で開発し、受注を伸ばしている企業もある。こうした独自の技術力がライバルとの差別化につながっている。 (詳細は経済月報2021年9月号をご覧ください。)

図表2 長野県の印刷業の事業所数・製造品出荷額等の推移

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