ブランドコンセプトを明確にした「こだわりの真澄シリーズ」

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最終更新日: 2021年9月10日

 1662年創業の宮坂醸造株式会社は、諏訪大社のご宝鏡「真澄」を酒名に戴く老舗の酒造メーカーです。真澄は1943年に全国清酒鑑評会で第1位となり、その後も上位入賞が続き研究者の注目を集めました。46年に大蔵省醸造試験所が、真澄の酒蔵から新品種の酵母を発見しました。「醸造協会酵母七号(協会七号)」と名付けられたこの酵母は、優良酵母として全国の酒蔵へ頒布され、70年以上を経た今も全国の酒蔵で使われ続けています。真澄の酒蔵は「七号酵母誕生の地」として全国にその名を知られています。 

七号系自社株酵母を使った「こだわりの真澄シリーズ」

 イチ押しは、「顧客の食卓を和やかにする上質な食中酒」という真澄のブランドコンセプトを明確にした「こだわりの真澄シリーズ」です。真澄の名が全国に知れ渡った原点は七号酵母にありますが、「協会七号」は日本醸造協会が全国の酒蔵に頒布しているため、真澄の個性にはつなげられません。そこで新たに自社の酒蔵から採取し直した酵母の中から選抜を重ね、理想的な香味を生み出す優良酵母を発見しました。この「七号系自社株酵母」を駆使することで、新たな真澄の個性を造り出しました。       

2017年真澄の原点回帰プロジェクトが始動

 日本酒業界は、アルコール飲料の多様化で変化する消費者への対応の遅れや酒造りのレベル向上による酒質の同質化・没個性化などから、長らく低迷していました。こうした状況の打開に向け、同社は、新たなライフスタイルや食の変化への対応、酒質やパッケージデザインの個性化、SNS を活用した情報発信の強化、国際化の推進など、大きな改革が必要と考えていました。そうした中、平成から令和へ改元が行われることになり、2017年に時代の転換点に合わせ「真澄原点回帰プロジェクト」を始動したのです。
 「こだわりの真澄シリーズ」の純米吟醸と純米の4種は、このプロジェクトを象徴する商品として開発され、七号系自社株酵母から醸し出されるほのかな香りとバランスのよい味わいの上質な食中酒となっています。
 ラベルは食卓に自然に溶け込むデザインとしました。新しい真澄のブランドマークである盃に映り込むツタの葉(ツタは宮坂家の家紋)をラベルの中央に描き、ラベルの色は日本の伝統的な落ち着きのある色使いで、赤、黒、白、茅色の4種とし、外国人も色で自分の好みを選べるよう工夫を凝らしました。
 

 
  

同社の酒蔵に隣接するショップ「セラ真澄」。のれんの中央にはブランドマークが見える
 

食卓を大切にする方々、若者、女性、海外の方々へ

 新しい真澄は、日々の丁寧な暮らしを大切にする方々、食卓を大切にする方々、若者、女性、海外の方々に向けたものです。
 「今後も和やかな食卓で料理を引き立てる食中酒として世界に広げていきたい」と宮坂社長は世界を視野に新たな真澄に期待をかけています。
 

 

こだわりの真澄シリーズ。左から真朱(AKA)、漆黒(KURO)、白妙(SHIRO)、茅色(KAYA)。茅色のみ純米、それ以外は純米吟醸
 

宮坂醸造 株式会社

 

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