求められるHACCP に沿った食品衛生管理~法改正を契機とした中小規模の食品等事業者の取り組みを探る~<2021・5・31>
 

印刷

最終更新日: 2021年5月31日

 調理食品や輸入食品の増加、食品の輸出促進などから、日本における食品衛生管理には国際標準と整合した管理が求められています。こうした背景から、2020年6月に食品衛生法等の一部を改正する法律が施行され、1年間の猶予期間を経て21年6月1日より全ての食品等事業者は、HACCPに沿った衛生管理が必要になります。

改正法が求める「HACCPに沿った衛生管理」   

 HACCP とは、HA(危害要因分析:HazardAnalysis)とCCP( 重要管理点:Critical Control Point)で構成されている食品衛生管理の手法です。1993年にコーデックス委員会が具体的な原則と手順(7原則12手順(図表))を定め、HACCP 導入の指針を示して以降、食品衛生管理に導入される動きが世界的に広がりました。
改正法が求めるHACCP に沿った衛生管理には、HACCP の7原則に則った衛生管理を行う「HACCPに基づく衛生管理」と、HACCP の7原則をそのまま実施することが難しい小規模事業者や一定の業種等についてはその弾力的な運用を可能とする「HACCP の考え方を取り入れた衛生管理」の2つがあり、全ての食品等事業者は、従業員規模や業種などにより定められたいずれかを導入することになっています。

 

  

 

第三者認証取得の動き

 こうした中、自社のHACCPに沿った衛生管理のレベルを客観的に証明できる第三者認証(FSSC22000やISO22000、SQF、JFS等)を取得する中小規模の食品等事業者もみられます。例えば、株式会社柿の木冷温フーズ(きのこの冷凍加工)は、危害要因分析を通じて広く深く考えることが社内で習慣化したほか、従業員の衛生管理意識が大きく向上し一般衛生管理が底上されたことで、CCP の監視に集中することができ事故の未然防止につながっています。また、吉澤食品株式会社(食品加工・青果卸)は、従業員に分かり易いマニュアル作りなど社内文書の整備の力を入れたほか、プロジェクトチームの活動を幹部の育成につなげています。いずれも法改正への対応を、体制整備のチャンスと捉えて取り組んでいます

 

詳細は、経済月報5月号トピックスに掲載しておりますので、是非ご覧ください。また、弊所ではHACCPやISO等のコンサルティングを行っておりますのでお気軽にご相談ください。

 

 

 

このページに関するお問い合わせ

産業調査

電話番号:026-224-0501

FAX番号:026-224-6233