日本一明るく楽しい山小屋づくりを進める燕山荘グループ

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最終更新日: 2021年5月10日

 株式会社燕山荘は、1921年に北アルプスの燕岳に「燕の小屋」を開業してから今年で100周年を迎えます。この間、35年に本館を建て替え、現在は、燕山荘、大天荘、ヒュッテ大槍、有明荘、合戦小屋の5施設(3つの山小屋と温泉宿、休憩小屋)を燕山荘グループとして経営しています。

 

「楽しい」をコンセプトにした山小屋づくり

  同社のイチ押しは「楽しい」をコンセプトにした山小屋づくりです。かつて、登山は苦しいとのイメージから若者の山離れが進んだ時期があり、3代目の赤沼健至社長が山小屋を「楽しい」場に変えていこうと取り組み始めたものです。
 山小屋は、主に建物、スタッフ、サービスの3つの要素で構成されています。宿泊者が楽しく過ごすためには、まず建物が綺麗で快適であることが大切と考え、燕山荘で約30年前に取り組み始めたのが清掃の徹底です。当時はスタッフの反発を受けましたが、自ら毎日1時間の清掃を行い、協力してくれるスタッフと共に信念を貫いたことで、今では全てのスタッフが実施しています。山小屋とは思えない整頓された玄関と磨かれた床は、築85年の風格ある建物に気品を与え、初めて訪れる宿泊者に驚きと感動を与えています。
 

アルプスの女王燕岳の山頂近くにある燕山荘。築85年の建物は風格が感じられる

仕事を通じて人間力を高め、おもてなしを提供

 「楽しい」を支える2つ目は、日頃からホスピタリティを高めているスタッフの力です。「会社は人間力を磨く場である」との経営方針の下、スタッフが自らを磨いた結果が会社の利益につながると考えています。山小屋は初めて会った者同士が誰でも気兼ねなく話せる場ですが、さらに楽しくするためには、スタッフの会話や気遣いといったコミュニケーション力が重要になります。宿泊客との会話等からさまざまな気付きを得て自分を磨き、もてなすことが、山小屋の再訪につながると考えています。


 

お正月の餅つきの様子

さまざまなイベントの企画などアイデアを実現し楽しませる

 3つ目は独自のサービスだ。標高2,700mで35回続くヴァイオリンコンサートを開催し、毎年楽しみに訪れる顧客も多くいます。また、デザイン力のあるオリジナルT シャツを販売し、この山小屋にしかない価値を提供しています。このT シャツは、インスタ映えすることから、SNS で情報発信したい若者を中心に人気No.1の商品となっています。こうした取り組みにより、2016年に山と渓谷社が行った読者アンケートでは、「泊まって良かった山小屋」「泊まりたい山小屋」の2つでNo.1に選ばれています。
 

 

手入れが行き届いた燕山荘の館内で開催するヴァイオリンコンサート。人気が高く毎年開催している
 

コロナ感染対策を徹底し今夏の営業を準備

 「コロナの収束がみえない中、現在、手洗いや手指消毒のほか、食堂へのアクリル板設置、宿泊者数を最大収容人数の5割未満に制限するなど、コロナ感染対策を徹底して、今夏の営業を準備しています。「これからも仕事を通してスタッフの人間力を磨き、明るく楽しい山小屋をつくっていきたい」と赤沼社長は力を込めます。
 


 

株式会社燕山荘


 

 

 

 

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