新ブランドで、産業・医療業界の「希望と快適」をカタチに

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最終更新日: 2021年5月10日

 精密モータで成長してきたシナノケンシ株式会社は、2018年に創業100周年を迎え、19年には新しくコーポレートブランド「ASPINA」を掲げ、グローバルに事業展開を加速しています。
 ASPINA は、回転を意味するSPIN の前後にA を配置してグレードの高いA 級の製品を顧客と一緒に作っていこうという意味が込められており、「人とモノの“動き”」で顧客に価値を提供しようとする変化に前向きな会社です。「世界中の人びとの希望と快適をカタチにする」というミッションを、ASPINA は“モノづくり”で実現します。同社がイチ押しするASPINA ブランドの下、産業・医療等の分野で「小・軽・静」を極める製品を開発、今も新しい“動き”を見せています。 

ほどよくつかめる3爪ロボットハンド

 「いろんなものに、ちょうどいい」をキャッチフレーズにするのは、産業分野での軽労化で注目を集めるロボットハンドARH350A シリーズです。対象物の種類や素材、サイズに合わせて“つかみ方をほどよく調整”できる機能を加えました。把持力50N(ニュートン)で、最大つかみ把持重量3kg、最大つまみ把持重量500g。3爪ならではの豊富な把持方法と、手指と同様の精密さをあわせ持ち、対象物は金属加工品や部品、中身の入ったボトルから、食料品や野菜、流動物のパックや梱包箱まで幅広い。ASPINA の新しい視点は、ロボット業界での存在感も広げています。

ARH350Aシリーズ。3つの爪であらゆる形状の物をつかめるASPINAのロボットハンド。

 

体積を半減、今までにない薄型ポンプ

 「世界一の薄型ポンプを作る」という、シンプルですが重要な目標を掲げてスタートした開発は、ASPINA に「高性能薄型キャンドポンプ」という新ジャンルを生み出しました。
 「5G 普及にともなってCPU・GPUの熱処理が課題となるサーバーのほか、冷却水循環装置や業務用食洗器など冷却用ポンプには多くの用途がある」と担当者は市場拡大に夢を描いています。熱交換率の高い液冷式の冷却ユニットは、ますますニーズが高まっています。モータメーカーならではのポンプとモータを一体化したコンパクト設計によって、組み込まれる機器の省スペース・軽量化も促進されると、業界からは今後に期待が寄せられています。 

冷却・循環ユニット向け、小型・軽量・高出力のASPINA 高性能薄型ポンプ。

人工呼吸器やCPAP向けの小型ブロワ

 ASPINA は、医療業界でも“気体を流す・送り出す”という機能を持つ小型ブロワを医療機器に提供しています。主な用途は、人工呼吸器や睡眠時無呼吸症候群対策用CPAPなど「呼吸器系治療器」の分野です。CPAP や人工呼吸器で使われるブロワは、高い加速性能を備えた低騒音ブロワで、小型、軽量、50,000時間以上の高寿命が特徴です。一方で、径をφ116mmにまで広げた高圧力の小型ブロワも開発中で、「新しい用途があれば、ぜひ声を聞かせてほしい」と担当者は意欲を示しています。ASPINAは、医療・産業・家電・車載・宇宙など、幅広い市場開拓への挑戦を今も続けています。
 

 

CPAP・人工呼吸器用のASPINA小型ブロワで、新しい用途開拓も進めている。
 

シナノケンシ株式会社

 

 

 

 

 

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