「喜ばれる」人づくりで地域と共に成長する

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最終更新日: 2021年3月10日

 同社は、諏訪市に本社を構え、餃子やラーメン、定食などをメインに県内32店舗を展開する、長野県発祥のラーメンチェーンです。1956(昭和31)年、現社長の祖母が東京の中華料理店で修業した後、上諏訪で初めてとなる餃子の店「天宝 鶴の湯 餃子菜館」を開店し、創業しました。73(昭和48)年に株式会社テンホウ・フーズを設立し、多店舗化を進めて88(昭和63)年には新工場を建設しました。その後、多店舗化を進めて2017(平成29)年に本社及びHACCP 対応の新工場を建設し、ネット通販、食品スーパー、高速道路のサービスエリア、土産物店などへも販路を広げてきました。 

本社・HACCP 対応の新工場。見学のための専用通路からは窓越しに製造の様子を見ることができる
 

「喜ばれる」人づくりで豊さを実現する

 イチ押しは、豊さを実現する人づくりです。同社では「豊かさの実現」を経営理念に掲げ、「人生を、仕事を最高に幸せなものにする」ことを目標にしています。5つの豊かさを掲げており、「健康の豊かさ」は明るく元気に笑顔で過ごすこと、「心の豊かさ」は人の役に立ち喜ばれること、「人の豊かさ」は感謝と恩返しで信頼をつくること、「趣味の豊かさ」は自分から楽しむこと、「お金の豊かさ」は価値を高める実力、手腕を持つこと、としています。中でも「心の豊かさ」を最も重視し、人の役に立ち「喜ばれること」、すなわち感動を与えることを使命(ミッション)と位置付け、人材育成を行っています。各店の店長は、自ら5つの豊かさにつながる行動を実践するとともに、店内でOJT を繰り返すことで従業員の思考や行動の習慣化を図っています。地域に愛される店づくりには、そこで働く人の育成が欠かせません。また、40年程前から全店の収支データを各店で共有できるようにしているほか、採用の権限も各店に与えるなどし、店舗経営を考えさせるようにして、参画の意識やモチベーションを高める仕組みとしています。
 

3世代、家族の喜ぶ場所「みんなのテンホウ」

 フランチャイズによる無理な事業拡大は幸せにつながらないとの考えから、32店舗のうち29店舗が直営店です。じっくり・みっちり・きっちりの「じみき経営」で堅実な経営を進めています。
 「笑顔あふれる家庭や幸せを、テンホウという食事の空間を通じて届けたい」「子供からお年寄りまで3世代がみんな楽しめる場所にしたい」と、従業員のアイデアを生かした新メニューを次々と作りながら、変わらない味、優しい味で、究極の「当たり前」の味を提供しています。 

地域と共に、成長を目指す

 HACCP 対応の新工場には見学ルートがあり地域の子供たちに学びの場を提供するほか、21年1月には従業員のアイデアを基に、県とのコラボレーションで美ヶ原産の鹿肉をおいしく調理した餃子や竜田揚げを全店で販売。高タンパク低カロリーで、柔らかくすっきりとした肉質が好評です。「人口減少の中、地域を元気にし、共に成長していきたい」と大石壮太郎社長は思いを語ってくれました。
 

 

人気の高いテンホウの餃子(右)。シカ肉ぎょうざ、シカ肉竜田揚げ(左)も好評だ
 

株式会社 テンホウ・フーズ


 

 

 

 

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