リーダーシップとは<2021.2.8>

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最終更新日: 2021年2月8日

 管理職を対象とした当研究所の研修教室では、「リーダーシップ」についてお伝えしています。中堅職員にさしかかるとリーダーシップを意識するようになり、いよいよリーダーシップの発揮を求められるのが管理職層でしょう。

リーダーシップ理論の変遷

 ナポレオンの時代から1950年代まで、「リーダーは優れた資質を持ち合わせた天才こそが成り得る。リーダーはつくられるものではなく生まれつき備わっている特性である」という「特性理論」がリーダーシップ理論の主流でした。

  40年代には「リーダーシップは特性ではなく、行動でありスキルであるから、後からでも習得することができる」という「行動理論」が登場し、その後主流になりました。「どのような人がリーダーなのか」ではなく「リーダーはどのような行動をとるか」という理論が、リーダーをより身近なものとし、長く支持されていた「特性理論」を淘汰したのです。この「行動理論」が今日まで引き継がれ、研修やセミナーでリーダーシップを学ぶ源流となっています。

 60年代になると「リーダーシップは状況に応じて取るべきスタイルが異なる」という「条件適応理論」が登場しました。「行動理論」をリーダーがとったとしても、状況によっては好業績を残すことができないことがあり、この理論に至ったようです。

 80年代からは「カリスマ型・変革型理論」が登場しました。「リーダーシップとは組織の変革を促すためにカリスマ的行動をとること、ビジョンを示し目標を達成していくことである」と考えられました。その背景には経済の停滞による競争環境の変化が生まれたため、将来のビジョンを描いて部下を導くマネジメントがリーダーに求められるようになったといえます。

 2000年以降は「シェアド・リーダーシップ」「コーチング・リーダーシップ」など多様な理論が出現しました。いずれもリーダーとメンバーとの関係性を重視する、変革型をベースにした理論です。

 このように、経済や文化が絡み合った環境の変化の下、リーダーシップ理論も変遷を遂げてきました。 

リーダーシップとは「人を動機づけて動かすこと」

 リーダーシップについては、人により、あるいは場面や環境に応じてさまざまな定義づけができ、多くの難しい言葉で語られています。当研究所の研修教室では、理解しやすい言葉を用いて、リーダーシップとは「人を動機づけて動かすこと」としています。そして、さまざまな立場の管理職の方でも、どのような業種・業界の方でも、職場に戻ってからは管理職の役割を果たすべく、「人を動機づけて動かすこと」を行動として実践いただきたいとお伝えしています。

 管理職に求められる主な役割は、「職場目標の達成」と「部下の人財育成」です。組織の存続と繁栄のためには部門ごとの業績確保が欠かせません。また、部下一人一人の能力伸長が労働生産性の向上、顧客満足度の向上につながることは明らかです。そのために、経営層や管理職の押し付けではなく、部下を動機づけて動かすことが大切になってきます。 

若手職員にも求めたいリーダーシップ

 

 ただ「人を動機づけて動かすこと」は、管理職でなくても、全ての人に発揮してもらいたい能力ではないでしょうか。例えば、若手職員がプロジェクトの主たる担当者となりメンバーを巻き込む場面ではもちろんのこと、日常業務の中で改善を図るために先輩職員にやり方を変えてもらう場面でも、動機づけて動かさないと、目指す方向に進むことができないからです。若手職員のうちから意識的にリーダーシップを身に着けていくことこそが、「自律型の職員によって構成され、永続的に繁栄する組織」という多くの経営者が望んでいる組織づくりへの第一歩です。

 職員の皆様一人一人が組織の明るい未来を語り、それに向けたリーダーシップを発揮できる職場となりますように、研修教室ではよりよい職場づくりをサポートしてまいります。

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