県内における新たな副業人材活用の動き
~首都圏からの副業人材の受け入れ~
<2020・11・10>
 

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最終更新日: 2020年11月10日

  働き方改革の一環で、2018年1月に副業・兼業の促進に関するガイドラインが厚生労働省により策定され、副業・兼業を原則認めていく方向性が示されました。それに伴い首都圏の大企業を中心に副業解禁が進んでいます。
そうした中、副業を解禁した首都圏の上場企業や大手企業に勤務する従業員が、専門知識・スキルを生かして地方の中小企業で副業を行う動きがあります。県内企業の中にもこうした動きがみられ始めており、県内企業の新たな人材活用の動きについて紹介します。 

少しずつ広がりをみせる専門知識・スキルを持った副業人材の受け入れ   

 製本・印刷、フォトブックのECサイト運営などの事業を行うダンクセキ株式会社(長野市)は、顧客ターゲットの絞り込みや最適なプロモーションなどECサイトの管理を強化するため、大手IT企業に勤務する人材を受け入れました。受け入れた副業人材は、効果的なWEBマーケティングを提案・実行してくれており、目標とするアクセス数の維持が継続できています。
金属部品の加工を手掛ける有限会社ニシキ精機(岡谷市)は、NC旋盤で金属部品を注文どおりに加工するプログラムを管理するシステムを構築するため、大手IT企業の副業人材を受け入れました。副業人材は、同社の要望をシステムに素早く反映させるなどし、使いやすいシステムを構築してくれました。これにより、NCで加工するためのプログラムを効率的に整理でき、後から検索・抽出することも容易になりました。 

事例からみた副業人材受け入れの留意点

 副業人材に依頼する業務内容は、急ぎでなく期限に余裕のある業務で、WEBのアクセス解析などをまとめ、報告し、さらには提案するといった業務や、社内の仕組み作りに関する業務など、顧客対応がなく空き時間にコツコツと作業を進められるものなどが向いているといえます。
特に、リモートでほとんど完結できるIT 関係の業務は相性が良いといえます。遠方から通勤するとなると交通費も多額になりますが、リモートワークならこうした費用も抑えられます。ただ、リモートワーク中心の場合は、副業人材と社内人材が接する機会が少なくなるため、刺激し合える環境づくりに工夫をすることが必要です。
契約形態は、受け入れ企業側で社会保険料等の費用や事務負担が増えると活用が難しくなるため、副業人材とは雇用契約でなく、業務委託契約とするのが主流となっています。
人口減少時代、中小企業は優れた人材を副業人材で受け入れて、自社の不足する点を補いノウハウを吸収していくことが、成長につながる1つの方法となってくるでしょう。
詳細は、経済月報11月号トピックスに掲載しておりますので、是非ご覧ください。
 

 

 

 

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