大ぶりで旨味成分が多いぶなしめじ「ぶなクイーン」

印刷

最終更新日: 2020年11月10日

 カットぶなしめじの生産および販売を行う株式会社ミスズライフは、1991年、前会長の小林満氏(2020年6月退任)が設立しました。
 2004年に、ぶなしめしの根本部分である石突きをカットしたカットぶなしめじを業界に先駆けて商品化したところ、袋から出してすぐに使える利便性が消費者に受け入れられて大ヒットし、業容拡大につながりました。その後も、保存性が高い冷凍ぶなしめじの生産を増加させることで、需要期に集中していた生産を平準化させ、生産効率を高めるとともに業務用にも販路を広げてきました。
 現在も、カットぶなしめじに特化して全国で販売しており、この分野のシェアに関してはトップです。今後は長い期間保存ができる冷凍カットぶなしめじの市場拡大にも力を入れていきます。 

大ぶりで旨味成分が多い「ぶなクイーン」

 同社のイチ押しは、新たに開発したカットぶなしめじの1つ「ぶなクイーン」です。12年から試験栽培を、そして17年に本格生産を始め、特徴は、大ぶり、新食感、旨味成分が多いことだ。「香り松茸、味しめじ」と言われるように、しめじは元々味わい深いきのこです。中でもぶなクイーンは、旨味成分であるグルタミン酸とアラニンが通常のぶなしめじの1.5倍多く含まれるほか、疲労回復や美肌に効果があると言われるオルニチンも、シジミの14~20倍含まれているといいます。
 大ぶりで見栄えが良く、味や栄養も十分なことから、バーベキューや鍋料理でも存在感を発揮し、主役にもなり得ます。また、炙って塩コショウをまぶしたり、バターで炒めるだけといったシンプルな調理でも十分に楽しめます。
  

    

▲大ぶりのぶなクイーン。大きさと旨味成分の多さから、
料理の主役になれるきのこだ
 

培地の再利用で循環型農業を

 同社の創業のきっかけは、大豆食品の加工工程で大量に出て廃棄されていた乾燥おからの有効活用にありました。乾燥おからをきのこ培地に活用して生産することで、廃棄という無駄を減らせるだけでなく、生育のための資材コストも抑えられます。こうした循環型農業に、同社は創業時から取り組んできました。
 ぶなクイーンも、主力商品のカットぶなしめじの培地を再活用して生産していますが、特殊な生産方法のため生産量はぶなしめじの1割程度に限られます。このため、販売先も、県内ではツルヤ、県外はベルク、ライフ、イナゲヤなどに絞り込んでいます。高付加価値商品として主に生鮮品として販売しており、「濃い風味」「存在感のあるサイズ・色」「弾力ある歯ごたえ」に加え「カットされた使いやすさ」が消費者に好評です。 

 

▲左は冷凍カットぶなしめじ、右は工場で育ったぶなしめじ。
培地には独自のノウハウが詰まっている 

調理し易い商品を追求し市場を開拓していく

 20年10月には冷凍カットぶなしめじの新工場が県内で稼働を開始し、生産能力は格段に高まりました。「今後も品質を高めるとともに保存性や加工度を高めて、調理しやすい商品を提案し、市場を開拓していきたい」と、一山社長は業容拡大に意欲を見せています。

株式会社 ミスズライフ


 

 

 

 

 

 

このページに関するお問い合わせ

産業調査

電話番号:026-224-0501

FAX番号:026-224-6233