より快適に、観光地をつなぐロイヤルブルーの新型車両SR1系
しなの鉄道 株式会社

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最終更新日: 2020年11月10日

 しなの鉄道株式会社は、北陸新幹線開業に伴い並行在来線となった軽井沢~篠ノ井間の維持を目的に設立され、1997年に開業しました。その後、2015年の北陸新幹線金沢延伸に伴い、長野~妙高高原間を「北しなの線」として引き継ぎ、近年は観光列車「ろくもん」を投入するなど、通勤・通学以外の需要掘り起こしにも力を入れています。
 

快適性・利便性の向上と 沿線観光地をつなぐ

 同社がイチ押しするのは、今年の7月4日にデビューした新型車両SR1系です。青を基調としたデザインは、信州の「爽やかな風」「沿線の豊な風景」を表現しています。また、ロイヤルブルーとシャンパンゴールドは、旅の上質感と高級感を演出し、緑と水色のラインは、沿線の「山並み」と「清流」を表現しています。
 シンボルマークは、社章を沿線11市町と長野県を表す12枚のリーフがリング状に囲むデザインとなっており、沿線を輝かせる太陽をイメージしています。この新型車両投入の狙いは2つあります。1つは、地域の顧客の快適性・利便性の向上です。15年の北しなの線開業に伴って有料の快速ライナーが廃止になって以降、朝夕の快速列車はボックス席での運行になり、座席も狭く快適性が課題でした。新型車両は、平日は有料快速列車として小諸発長野行き「しなのサンライズ号」と長野~上田間の「しなのサンセット号」の運行を担います。座り心地が良くなったほか、社内設備も格段に向上し、WEB の予約システムを導入するなど利便性も向上しました。
 2つ目の狙いは観光面の強化です。軽井沢を起点に観光客を沿線観光地へと誘致したい考えです。土曜・休日は、観光有料快速列車「軽井沢リゾート号」として軽井沢~妙高高原間、軽井沢~長野間を走り、広域観光での利用を見込む。軽食付プランも用意し、観光需要の掘り起こしを図っています。

 

▲ロイヤルブルーとシャンパンゴールドの外観が旅の上質感を演出する。正面中央にはシンボルマークがある
 

快適性を高めたオリジナル車両

 SR1系は、積雪寒冷地の新潟県で運用実績のあるE129系をベースに、快適性を高めたオリジナル車両です。空気バネを使用した車台は、走行音や振動が大幅に低減されています。また、トイレも内部で車いすが回転できるバリアフリー構造になっています。さらに、座席はロングシートと前向きにした2列シートに切り替えることができ、用途に応じた空間を提供できます。そのほか、フリーWi-Fi、電源コンセント、ドリンクホルダーも装備するなど快適性を追求した仕様となっています。 

 

▲座席に採用されたデュアルシート。有料快速列車運用時には進行方向に転換し、快適な旅を楽しめる

 

顧客の暮らしを末永く守沿線観光地の魅力を発信

 現状は、コロナ禍で外国人観光客も首都圏からの観光客も大幅に減少していますが、「ポストコロナでは、沿線の魅力的な観光地を日本はもとより世界に広げられるようSR1系をPR していきたい」と春日社長は新型車両に期待を込めています。

 しなの鉄道 株式会社

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