光学機器

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最終更新日: 2020年2月27日

最近の業界動向

  • 光学機器とは、光の作用や性質を利用した機器の総称で、光の直進や屈折、反射、干渉などを利用する機器のことを言い、主なものにデジタルカメラや顕微鏡、プロジェクター、内視鏡、映画撮影用機器及びそれらに使われる各種レンズなどがあります。
  •  光学機器メーカーは、銀塩カメラの製造などで培った技術をもとに、光ファイバー、ディスプレイ、産業用機械、医療用機器やその基盤となる材料・デバイスなど、多様な分野の製品に向け事業を展開しています。他の分野に技術転用する際は、光学分野だけでなく精密、化学、機械、電子など多様な分野にわたる高度なすり合わせ技術が必要ですが、日本の光学機器メーカーはそれを強みの一つに世界における競争力を確保してきました。
  • 全国の光学機械器具・レンズ製造業の事業所数は、デジタルカメラの機能がスマートフォンに置き換わったことや、量産品が海外シフトしたことなどから減少の一途をたどってきました。製造品出荷額等も14年には07年の半分程度まで減少しましたが、14年を底に近年は回復がみられています。 
     

 光学産業多角化のイメージ図

                   

長野県業界

  • 長野県の光学機械器具・レンズ製造業の事業所数、製造品出荷額等の推移は全国とほぼ同様で、製造品出荷額等は近年回復の動きがみられます。
    長野県の業界は、精密加工技術の高さから、大手カメラメーカー向けレンズの生産を通じて発展してきました。しかし、1990年代以降、量産品の海外シフトが進む中で、カメラレンズだけでなく、プロジェクターや産業用機械、光通信機器、医療用機器など成長性の高い分野へ進出したほか、映画撮影用レンズ等特殊レンズの多品種少量生産に対応してきています。 県内業界は、完成品を製造する企業は少なく、レンズ単体やレンズユニットといった部品のメーカーとして技術力を高めることで、生き残りを図ろうとしている企業が多くあります。

長野県の光学機械器具・レンズ製造業の事業所数及び製造品出荷額等の推移

 

  • 今後、5G(第5世代移動通信システム)などの最新技術が新たなサービスを生む出すことが予想され、新たな時代に合った需要を捉えていくことが求められます。新たな分野で受注を獲得するためには、光学設計力や、研磨に代表される加工技術力、精度にかかる高い測定能力をさらに磨いていくことが重要であるのはもちろん、ブランド化やブランドの認知度向上が重要となります。こうしたブランド化やブランドの認知度向上に向けた取り組みを通じて、さまざまな分野からの引き合いを増やし、新たな製品分野を切り開いていくことが求められます。(詳細は経済月報2020年2月号をご覧ください。) 

 

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