現代版木曽漆器 家庭用「一汁三菜」、ビュッフェ用「あすかZei」
株式会社 本山漆器店

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最終更新日: 2018年11月9日

 400余年の歴史を持つ木曽漆器。同社は木曽漆器の販売を目的に、1949(昭和24)年に会社を設立しました。戦後の復興が進み国内旅行が盛んになると、旅館のお膳やお盆など業務用の需要が拡大し、1960年代頃には東京、東北、北海道等にも営業所を設置しました。その後は寿司屋のカウンターに置く漆塗りのショーケースで独自の販売ルートを開拓し、全国トップの販売数を記録するなど、業容は順調に拡大しました。
 平成に入ると、和室に漆のテーブルと椅子を置いて食事するスタイルをホテルや旅館に広め、主要製品に成長させ、現在は、生活スタイルに合った食器や、素材を金属やガラスに広げた漆器の商品化を進めています。
 

木の食器への原点回帰から開発した「一汁三菜」シリーズ

 2013年に和食がユネスコ無形文化遺産に登録されると、和食文化が世界の関心を集め、和の食器として漆器も注目されるようになりました。そこで、お膳やお椀など木の食器への原点回帰を図って開発したのが「一汁三菜」シリーズです。和食の献立の基本「一汁三菜」から名付けました。かつては慶弔の席で使用するお膳25脚を揃えた家庭も多かったのですが、今はこうした需要はほとんどありません。そのため、日常生活の中で使える商品として開発したものです。発売以来、自用はもちろん、大切な贈り物としても購入が増えています。

       
 

   

▲現代ニーズに合わせた「一汁三菜」シリーズの椀。
デザインを現代風にアレンジし、洗い
やすく清潔を保ちやすい形状が特徴です
  

業界初、ステンレス製の漆塗り食器

 また、木の食器への原点回帰と平行して進めたのが、漆を塗る素材を木から金属やガラス、陶器へと広げることです。中でも同社が力を入れた素材がステンレスです。14年に、金属に漆を塗布した後に焼き付ける技術を開発すると共に、金属の表面加工を施す機械を導入しました。
 まずはマドラーやシェイカーに漆塗りでデザインを施した商品を開発し、バー用品の提案を始めました。さらに、ホテルのビュッフェ(バイキング)で使用される盛り台やワインクーラー、大皿、サービスフォークなどへ漆塗り加工を施した製品を開発し、「あすかZei」シリーズとしてホテルへの提案を進めています。ステンレス製の漆塗り食器の市場投入は業界初です。

▲ホテルのビュッフェなど業務用の食器として
開発した「あすかZei」シリーズの盛り台。
漆塗りが高級感を高めています

 

ワンランク上の贅沢を味わえる商品を提案

 「漆塗りはエコ商品であり、生活に彩りやうるおいを与えてくれるもの。『一汁三菜』シリーズの椀を手にとって、日常生活の中でワンランク上の贅沢を味わってほしい」と本山社長は語ります。ガラス、金属(ステンレス)、陶器に漆をあしらうことで漆器の活用シーンを広げ、これからもワンランク上の贅沢感を味わえる商品を積極的に提案していく方針です。

株式会社 本山漆器店

 


 

 

 

 

 

 

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